「お、お、おい、ちょっと待て!」
「そりゃ、ないだろう!」
心の中でそう思いました。
どうしてそう思ったかというと・・・
昨日、地元にある茨城大学、その公開講座に参加してきました。
実践心理教育相談講座・中級編という講座です。
初級編も参加したのですが、4回の講座の初日である今日、講座に参加すると・・・
今回講座を担当したのは、岸さんという先生で、確認はしなかったのですがおそらくユングについて研究している方なんですね。
内容はというと、お絵かき?
準備されたのは、赤、黄、緑、白、茶、青などの粉末状の絵具とそれを溶かすためのにかわ、そしてすり鉢、すり棒、そして白い用紙。
その1M×1.5Mくらいの1枚の白い用紙に1つのグループ4~5人が3つのグループに分かれて思い思いに絵を描いていきます。
筆なんかありません。
絵具を直接手につけてぺたぺたと・・・
その際に、言葉を発してはいけません。
そして最も大切なことは、他の人に気を使う必要はないというもの。
具体的に言うと、最初私は、グリーンで人の顔を描いたのですが、知らないうちに自分が描いた絵が上書きされて消されていました。
私たちのグループは4人のグループだったのですが、一人、めちゃくちゃな人がいて暗めの色でどんどん用紙全体を染めていたのです。
「なんじゃ、この人は?」
と思いつつ、気がつくとその人に自分で描いた絵を消されていた。
ひどいでしょ。
「お、お、おい、ちょっと待て! そりゃ、ないだろう!」
まあ、あとから聞いてみるとその人は、ある町の教育相談をしている人で、去年も同じ講座に参加したんだそうです。
だから敢えて、そのようにしたとのこと。
とはいえ、自分が描いた絵が、ことごとく消されていく。
正直言って、最初嫌な感じがしました。
いったいどうなる事やらと思いつつ、私自身も他の人に気を使う必要はないことを意識し、その後、私もめちゃくちゃやっていたかもしれません。
とはいえ、少しは気を使いましたけどね!
そして絵は私が思い描いていた原色いっぱいのきれいな色の絵とはかけ離れていき、どんどん汚くなっていくではありませんか。
「どうなってしまうんだ!」
そう思いつつ、4人の約1時間に及ぶ無言のお絵描きは終了を迎えようとしていました。
ただ、おもしろいのは、最初、自分勝手に描いていた絵が、何となく最終的に1つの方向性を持つようになっていったことです。
あまり、きれいな状態ではなかったので、最後、私は白い絵の具を使って波のしぶきのようなものや黄色の絵具を指先につけて振りかけました。
そしてあとから聞いてみると皆さん、暗い色なので、明るい色で絵を変えたかったということでした。
方向性が一致してきたのと、なんとなく自分の感情の流れに気がついたりして、おもしろい体験でした。
そしてタイトルのように自分の弱い部分に気がついて、まずそれをいつくしむことが、」他の人の弱点を理解するうえでも大切だとか。確かにそうでしょうね。
さて、できた絵は、これ。
この実習は、人には意識と無意識があり、グループの中で無言で絵を描くことによって、無意識を体験するというもの。
言葉ではうまく言い表せないのですが、言葉を発することなくしても人は、最終的になんとなくまとまっていくものなんだと思いました。
それがユングの言う集合的無意識?
この実習は、公務員の方やお堅い会社関係で行うととてもおもしろいと思います。
なぜなら自分が持っている枠を壊されるから。
来週は、この絵を使ってまた何か、実習があるようです。
楽しみです。
もし、時間が許せば、勇気づけ勉強会などでやってみてもおもしろいと思います。
でも、汚くなるし、ちょっと無理か!