あれは学生の時だったでしょうか?
こんな失敗をしたことがあります。
その頃、塾の講師をしていて中学2年生を教えていました。
その塾には私が担当ではなかったのですが、中学3年の男の子が5人くらいいました。
その3年生の態度がとても悪かったのです。
まともに挨拶もしませんし、とにかく態度がでかいというか、なんとなくふざけたやつらだと思っていました。
それに加えて私の中に、年齢が下の者は年長の者に敬意を示すべきなんて価値観がありました。
いまでこそ、アドラー心理学を学んで、対等の関係を培うように学んでいるのですが、その頃は、バリバリに「年下の者は敬意を示すべき!」なんて思っていたのです。
ある時、彼らの態度があまりにも悪いので、私は怒鳴ってしまったことがあります。
「その態度はなんだ~。ふざけるな~」
その直後の様子は覚えていないのですが、その後、どうなったと思います?
なんと彼らは、私を無視するようになったのです。
廊下ですれ違っても挨拶もしませんし、顔もそむける。
それには腹立たしさが増しました。
ただ、怒鳴たり、怒ったりすることは、あまり意味のないことに気付いた私は、彼らが卒業するまで無視続けられることに甘んじました。
結局、和解することもなく、彼らは塾を巣立っていきました。
いまから考えると何と愚かな対応をしてしまったのだろうと思います。
ほめるにしても叱るにしても、相手との人間関係の土壌ができていないところに手をだすとかえって土を硬くしてしまう可能性があります。
特に叱るときに感情的になって怒鳴ってしまうと人間関係を壊しかねません。
先日の金曜日に届いた子育てサプリは、このようなものでした。
【本日のメッセージ】
ほめ方や叱り方に悩んだときは、その人との人間関係を振り返ってみよう!
【解説】
人は嫌いな人からほめられても嬉しくないし、叱られても素直になれません。上手なほめ方や叱り方は確かにありますが、それ以前に人間関係はうまくいっていますか?
(ちなみに子育てサプリは木下晴弘さんが毎日出しているメルマガ。木下さんは灘中・灘高合格者を多数生みだしたカリスマ講師だった方です)
木下さんも述べるように人は嫌いな人からほめられてもうれしくないし、叱られても素直になることはできません。
本当は、信頼の土壌を十分に耕して、人間関係を育むための下地をつくらないといけなかったのだと思います。
そのためには、いまでこそ学んで知ることになった、勇気づけや話を聞くことなどで、肥料をあげたり、水を注いであげることが重要でしょう。
そしてよい人間関係が信頼で結びついたところではじめて、伝えたいことも伝わるようになる。
私はそれを経ずして一方的に怒鳴ってしまったので、彼らは私を煙たく思い、無視をしたわけです。
正直言ってつらくて悲しい体験でしたが、いまから考えると自分の改善点を見直す良い機会になったような気がします。
やはり感情的に叱ったりするのは、効果がないばかりか、子供との人間関係を破壊してしまう可能性をはらんでいます。
ほめるにしても叱るにしても、まずは、子供との良い関係をつくることを優先することが大切なんでしょうね。
きっといまの私なら、ほかの対応をするのではないかと思います。
ちなみに、ほめることも、子供の勇気をくじく場合が多いようです。
アドラー心理学では、ほめるのではなく、勇気づけをすることを勧めています。