●負の感情の連鎖を断つ!そのためにできること! | ◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

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昨日の記事 で、ネガティブな感情は連鎖して、どこかでそれを切らないとネガティブスパイラルにはまってしまう可能性があることを書きました。


ポジティブな感情が連鎖するのはいいのですが、ネガティブな感情にはまってしまうといろいろと困ったことになりかねないので、その連鎖を断ち切る必要があります。



それは子どもも大人も同じだと思います。



では、ネガティブな感情に陥った時にどうしたらいいのでしょう?



先日の地元大学での公開講座では、こんな例が話されました。



例えば、「数学は好きですか?」という質問がなされた時にどう答えますか?



もし、好きであれば、「はい」と勢いよく答えることができるでしょう。



しかし、好きでなければ・・・・私は苦手です!



では、なぜ、数学が好きではありませんか?



多分、いろいろな理由があると思います。



「なぜ?」



そう、聞かれた時に何らかの理由を述べると思いますが、案外、数学が好きでない理由に関して多くの人は明確な理由をもっていない場合が多いかもしれません。



多くの人にとって数学は気分的に「何となく好きでない」ということが多いのでは・・・



さて、人の感情の特性として数学がなんとなく好きでないという場合(気分)、そのなんとなく好きでないという気分に従って人は、後から理由づけをするという傾向があるようです。



つまり、数学は気分的に好きではないので、「~だから」、「~なので」と数学が好きでない理由を後づけで、つけていく傾向があるというのです。



そして数学が好きでない理由がどんどん(後づけ的に)増えていくと、気持ちにさらなるマイナスの変化が起きてきて、ますます数学が好きでなくなり、嫌いになってしまったりします。



そうなると数学と聞くだけで拒否感が走ったりするかもしれません。



理由は、後づけで生まれることを考えると・・・



数学が好きでない理由を考えるのではなく(思考するのではなく)、「どうしたら数学を楽しめるか?」などと、思考をプラスの方向に向けるなどの対処が重要になってきます。




思考の方向性を変えてあげると、子供が負の感情のマイナススパイラルに陥らいないように方向を転換させてあげることが可能になります。



その点でアドラーの娘さんの事例も興味深いものがあります。



アルフレッド・アドラーは、人の能力は、遺伝やもともとの才能に影響されないことを述べて、「誰でも何事でも成しとげることができる」という考えを主張しました。



それを例証するようなこんな事例があります。



アドラーの娘、アレクサンドラも数学が苦手だったようです。



ある時などは、数学の試験を受けずに帰ってきてしまったこともあったそうです。



余程、数学が苦手だったのでしょう。



その時に父親であるアドラーは、どのように対応したと思いますか?



アドラーは言いました。



「どうしたんだい? 君は本当に誰もができるこんなばかばかしいことをできないと思っているのかい? やろうとしたらできるものだよ」



それを聞いた娘のアレクサンドラは?



きっと思考に変化が生じたに違いありません。



彼女はわずかな期間で数学で1番になったんだそうです。



アドラーは、自分自身も最初、数学が苦手でしたが、ふとしたきっかけで、数学が得意になったという経験をもっています。



だからこそ娘、アレクサンドラに対しても、「何事でも成し遂げることができる」と信頼を抱いて語ることができたのでしょう。



そしてアレクサンドラにとってアドラーの言葉は、大いに勇気づけになったはずです。



それは、「数学は難しい」というアレクサンドラの気分を変えて、「誰でもできるバカバカしいこと」を苦手と感じている自分でも数学が「できるかもしれない」と思わせたのでしょう。



そのようにしてアドラーは、アレクサンドラの思考を変えることに成功し、アレクサンドラは結果を生みだしたのだと思います。



さて、まとめます。



人は「数学が嫌い」という気分に影響を受け、数学を嫌いな理由を後づけで考えだし、ますます、数学が嫌いになるというような心理的傾向をもっていることを考えました。そのようにして人はネガティブなスパイラルに陥ってしまうのです。



もし、子供が相手であれば、親や教師が、思考の方向性を変えてあげるだけで、子供の思考を良い方向に向かわせてあげる可能性があります。


もちろん、その際に、子供との信頼関係があって初めて、それが可能になるのだと思いますが!



その点で、子供の話をよく聞いて、ぜひ信頼関係を培ってほしいものです。



それに加えて、勇気づけなどで思考の方向性を変えてあげる。



そうすると子供は自分の感情をコントロールし、負の感情の連鎖を断ち切ることができるでしょう。



上手にお母さんが子供の負の感情を断ち切ってあげられたらいいですね。



参考図書

アドラーを読む 共同体感覚の諸相

岸見一郎著