子供の頃、テレビを見ていて
「そろそろ宿題やろうかな~」
と思った時に、
「勉強しなさい!」
と母から言われてかえってやる気を失ったことがあります。
「いま、やろうと思っていたのに(怒)」
そのような経験ってありませんか?
このような状況を心理学的に説明するとこんなふうになるようです。
「そろそろ宿題やろうかな~」(自分)
↓
「勉強しなさい」(母)
↓
「いま、やろうと思っていたのに(怒)」(自分)
↓ ←感情が緊急の割り込みをかける
処理中の認知過程すべてにストップをかける
↓
不快への処理が優先され、不快から逃げようとする
↓
「勉強なんてやるもんか」(自分)
勉強しようと思っているところに「勉強しなさい」と言われることは、おそらくほとんどの人にとって不快と感じられるのではないでしょうか?
感情は、不快と感じることがあると(感情が緊急の割り込みをかける)と、「宿題やらなくちゃ」という思考(処理中の認知過程)をもストップさせてしまい、その不快な感情を感じることを避けたり、逃れることを優先させるという特性があるんだそうです。
つまり、「勉強しなさい」と言われることで、私は不快を感じたわけです。そしてその不快な感情から逃れることが優先され、思考が停止してしまった。
ほんとうは「宿題をしようかな」と思ったわけですが、母の一言でネガティブな感情が働いてしまった。
本来なら宿題をすることと「勉強しなさい」と言われて不快な思いをすることとは、別の問題ですね。
それでも「感情」は「思考」を停止させてしまうので、私は、不快な感情に振り回されて、「勉強なんかするもんか!」となってしまったわけです。
そう考えるといかがでしょう?
お母さんが「勉強しなさい」と子供に言うことの弊害が見えてくるのではないかと思いますが?
親と子の関係は普通の人と比べて、心理的距離が近いので「勉強しなさい」と言われれば、言われるほど、子供は反発したくなったりするものです。
いわゆる感情を子供の心の中に緊急に割り込ませてしまうのです。
それによって子供の思考を停止させてしまう。
そうなったら子供は、勉強なんてしませんね!
言えば、言うほどやらなくなるはずです。
それに加えて、感情には、同じ感情が連鎖するという特性があるそうです。
例えば、嫌い、苦しい、つらい、最悪、気持ち悪い、などのネガティブな感情は、ネガティブな感情を呼び、ネガティブスパイラルに入りこんでしまう。
それに対してポジティブな感情はポジティブな感情を生みだします。
そして感情の特性としてその両者の間を行き来するということはないんだそうです。
だからネガティブな感情に入り込んでしまったら、何かしらのきっかけでポジティブな方向に持っていくなどの努力をしないと、ネガティブスパイラルにはまって、なかなか抜け出せなくなってしまうようです。
その点で、もし、お母さんが「勉強しなさい」と言って、子供がへそを曲げてしまったなら、子供はネガティブスパイラルに陥ってしまうので、そこから抜けだすことが難しくなることでしょう。
そんな意味で「勉強しなさい」は、お母さんが望む、反対の効果しかもたらさないと言っても過言ではないと思います。
もし、子供それに従ってやるとしても小学生のうちだけでしょう。
しかも、勉強したとしてもそれに身が入ることはあまりないのではないかと思います。
子供に「勉強しなさい」は禁句です。
子供の頃に勉強を強要して、子供をいじめるとかえって勉強がきらいになってしまいます。
また、思春期に入った子供などには、反発されるのがおちだと思います。
では、どうしたらいいかということですが・・・
長くなりそうなので、また、別の機会に考えたいと思います。
今日は、先日の地元大学の公開講座で学んだことを振り返って、「感情は、思考を停止させる」ということを考えました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。