先日、中学3年の男の子と電話で話をしました。その子は、不登校を1年くらいしていて勉強が全くダメ。
でも、自分の人生を考えた時にこのままではいけないと思ったようです。そして勉強をして高校に行きたいと思った。それで家庭教師をということで、そのお母さんから電話をいただき、直接その子とも話したわけです。
その話の中で学校に行かなくなった理由を聞いてみると、彼は家庭の事情が大きいと言っていました。家庭の事情とは、両親の離婚騒動のことのようです。彼は、両親の離婚によって勇気くじきをされていたのでしょうね。
両親がどんなやり取りをしていたかは、わかりませんが、子どもにとって両親の喧嘩はつらいものでしかありません。そして離婚はちょうど思春期の子にとっては、心をひきさかれるような体験でしょう。
以前、心理学系の本で、子どもは両親の仲が悪かったりすると無意識的に病気になったりして仲を取り持つような役目をすることがある、というようなことを読んだことがあります。
もしかすると彼も不登校という問題行動を起こすことによってそうしていたのかもしれません。
アドラーの弟子であるドライカースは、その著書の中で、こんなことを述べています。
社会的な生き物である子どもにとって、最大の動機は所属願望です。子どもの安心感、もしくは不安感は、ある一定の集団に属しているという実感に左右されます。所属願望は、子どもにとって最も基本的な欲求なのです。
家族という集団に属しているという実感は、子どもに安心感をもたらします。
しかし、両親が喧嘩していたり、離婚ということになると、ある意味子どもの所属願望にも大きな影響を及ぼしますね。所属願望は、子どもの最も基本的な欲求なのです。それが損なわれかねない。
そしてドラ―カースはこのようにも述べています。
子どもの行動はすべて、自分の場所を確保するという目的を持っています。
これはあくまでも私の推測ですが、彼の不登校いう行動は、ドラ―カースが述べるように、自分の居場所を確保するという目的を持った行動であったのかもしれないですね。
居場所というのはとても大切です。もし家庭に居場所がないと感じると子どもは、外に居場所を作ります。いわゆる悪い子との付き合いを始めたりします。
だからこそ家庭に心地よい居場所を作ってあげることはとても大切です。その点で、子どもにとって両親が、仲が良いというのは安心感をもたらすでしょうね。
そのためにもお父さん、お母さんがお互いに気遣い、仲良くいることは大切なんだと思います。
そう言えば、先日、ノートを見ていたら以前に書き残していた言葉が目にとまりました。
男は気遣いが苦手。女は信頼することが苦手。
一般化した言葉なので、一概に言えないこともあると思うのですが、そんな傾向があるのは確かなのかもしれません。
その点で、まず家族の頭であるお父さんがそんな違いを知って、もっともっと奥さんに気遣いを示し大切にする必要があるかもしれませんね。
参考図書
- 勇気づけて躾ける―子どもを自立させる子育ての原理と方法/ルドルフ ドライカース
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