お子さんが、何か習い事をしていて、こんなことを言い出したらどうしますか?
「わたし、ピアノやめる」
多くの方は、
「えっ、何かあったの?」
とか
「どうして辞めたいの?」
と聞いたり、
「いったんやり始めたことは続けないとダメでしょ」
と説教してしまうことが多いかもしれません。
以前参加したハートフルコーチ養成講座で、おもしろい実習がありました。
まず、もし子どもが「ピアノやめる」と言ったら、自分はどう答えるかを考えてそれを書き出します。
2人のペアーを組み、自分は子供の役になって「ピアノやめる」と言います。
親役の人は、自分が書いた返答を言ってくれます。
その時、どう感じるかを体験するのです。
多くの場合、自分の答えを親役の人から聞いて、
「嫌な感じがした」とか、
「どうして辞めたいの?と聞かれても困った」
などと答える方が多かった記憶があります。
このような場合、親は何を目指すかというと、
やめるのを引きとめようとすることが多い!?
でも、実習で実感したようにそうされると嫌な感じがする。
ではどうしたいらいいか?
講師の菅原さんは、
「子供の言葉を信じてはいけない」
と言います。
子供は、何か嫌なことは、あったのかもしれませんが、
本心でやめたいと思っているのではない場合が多いのです。
なぜなら、
聞き方次第で子どもは
「やっぱりやめないで頑張ろう」
と簡単に変わっていくからです。
その秘訣が、否定や非難をしないで話を聞くことです。
昨日の親業の記事
で書いた「能動的な聞き方」をするのです。
その際に、これはテクニックになるかもしれませんが、
バックトラッキングをいうものをします。
バックトラッキングって?
昨日の記事でも書いた子供が言ったことをくり返すこと。
たとえば、
「ピアノをやめたい」
に対して
「ピアノをやめたい!?」
あいずちの代わりに相手のキーワードを返してあげるのです。
冒頭で説明した実習では、「ピアノをやめたい」に対して、
このバックトラッキングを使って返答された時のことも体験しました。
するととても受け入れてもらったという感じがする。
受容された感じ。
バックトラッキングの効果ですが、
① 投げかけた問題が、そのまま帰ってくるので子供自身が
「ほんとにやめていいのか」自問するようになる。(鏡の効果)
② 聞いてもらえる安心感がある
などがあります。
しかし、否定や非難をすると子供の中に警戒感が生じ、言いたいことも言えなくなってしまう。
だから子供との関係を良くするためにも、子供の健全な成長のためにも、子供の表面的な言葉を信じないで、話を否定や非難をしないで十分に聞いてあげることがとても重要なんだと思います。
十分に子供の話を聞いてあげると子供自身が、自ら問題を解決する方向に向かいます。
「子供の言葉を信じてはいけない」の意味をご理解いただけたでしょうか?