以前、ある会社の管理職の方と面談をしました。
その方は、いわゆる技術者で経験も豊富な優秀な方。
でも、なぜかその方のチームの離職率は高く、生産性も伸びない。
その為、経営幹部の方から、その原因を探って欲しいと依頼を受けました。
私はまず直接、生産性が伸びない理由について本人に質問。
回答は、「業務を安心して任せられるメンバーが少ないことから、属人的な組織である」「きちんと報告、連絡、相談ができないメンバーが多いから」「仕事のスピードが遅いメンバーが多い」など・・・が挙がりました。
そして、離職率についても確認。
「仕事が向いていないから、ついてこれなくなった」「社内外でコミュニケーションがとれず、いずらくなったのでは?」とのこと。
実は、私のこの方に対する第一印象は、いつも不機嫌そう、というもの。
決して暴言を吐いたり、モノにあたったりする方ではないのですが、溜息は多く、常に不機嫌さを醸し出していました。なので、その方の周りには人が寄り付かない、そんな印象でした。
そして、ちょうどその面談の最中、部下が業務のことで相談に来られました。
すると、相手にわかるように説明するのではなく、「どうしてこんなことがわからないんだ!」と言い放ち、それを受けて部下は必死で言い訳を始めました。
アンガーマネジメント「叱り方」講座でお伝えしている、叱る時のNGワード。
その一つに、「責める言葉を使わない」というのがあります。
「なんで?」「どうして?」「なぜ?」というような相手を責める言葉を言われると、
責められた人は、反論するか、言い訳をするか、逃げるの3択の行動をとるといわれていま
す。
その後、私は、この管理職の方に「なんで?」や「どうして?」は叱る時に逆効果であるということを伝えました。
そして、「どうしたらできる?」というような解決志向の言葉に変えるようにアドバイスしました。
また、もし相手がその改善方法を見つけられないなら、一緒に考えることも大切だと。
「怒り」は本来、リクエストです。
なんで?で理由を聞くことは大切です。
でも、単に自分の感情をぶつけて相手を責めるために使うのは辞めましょう。
こうなって欲しい、こうあって欲しい、その実現に向けて取組むことが建設的です。
アンガーマネジメントは、単に怒りっぽい人や、怒れない人だけが学ぶものではなく、コミュニケーションを豊かにする、そしてより良い家庭、職場などの環境づくりのために、誰にでも学んで欲しい技術です。
このお話の続きは、第二弾で、またお伝えしたいと思います。