怒らずに伝える力を、子育てに

今年も、保健医療大学よりお声かけをいただき、
「子育てに活かすアンガーマネジメント」講座を担当させていただきます。

 



■ 開催概要

日時:2026年6月5日(金)10:30〜11:30
場所:にこにこキッズセンター
参加費:無料
申込:不要(当日参加OK)

子育て中の方はもちろん、孫育て中の方、
アンガーマネジメントにご興味のある方であればどなた様も歓迎です。

■ 講座内容とこれまでの様子

今回のテーマは、
「子どもへのリクエストの伝え方」です。

子どもに何かを伝えるとき、
つい感情的になってしまうことはありませんか。

この講座では、怒りに振り回されるのではなく、
どう伝えれば相手に届くのかを、具体的にお伝えします。

昨年も担当させていただき、

・0歳の赤ちゃん連れの保護者の方
・子育て中の方
・アンガーマネジメントに興味のある方

など、幅広い方にご参加いただきました。

本講座は「子育てだけでなく日常でも使える」という声も多くいただいています。

子育てに正解はありません。
だからこそ、「関わり方」を知ることで、少し楽になることがあります。

怒らないことを目指すのではなく、
上手に伝えることを身につける。

そのヒントを持ち帰っていただけたら嬉しいです。
どうぞお気軽にご参加ください。
 

「怒らない優しさ」は、組織を弱くすることもある


先月、岡山市内の企業で、全管理職を対象に研修を担当しました。

研修担当者からは、
「怒るべき場面で適切に怒れる管理職を育てること」をテーマに、
その重要性を伝えてほしいとのご依頼をいただきました。
 

ハラスメントと指導の違い


数年前から、
「もう、何も言わないようにしてるんです」
——そんな声を、管理職の方から聞くことが増えました。

ハラスメントが怖い。
嫌われたくない。
トラブルになるくらいなら、何も言わない方がいい——

その気持ちは理解できます。
しかし、ここははっきりさせておきます。

怒るべき場面で怒らないことは、組織にとってリスクです。
なぜなら、管理職の役割は、人を育て、成果を出すことだからです。

パワーハラスメントとは、
ーーーーーーーーーーーーーーーー
優位性を背景に
業務の適正範囲を超え
苦痛を与える行為
ーーーーーーーーーーーーーーーー
この3つが揃ったものです。
つまり、業務上必要で、適切な範囲の指導はハラスメントではありません。
 

上手に怒る3つの技術


① 未来を伝える
 →「今後はこうしてほしい」

② 主語を「私は」にする
 →「私はこの点が気になった」

③ 感情を言葉にする
 →「正直、今回の件は残念だった」

私たちはイラッとしたとき、つい感情をぶつけがちになります。
しかし本来、怒りはぶつけるものではなく、伝えるものです。

そもそも「何のために怒るのか」という目的を明確にすることで、
どのように伝えるべきかは、おのずと見えてきます。

 

NGな叱り方と怒らないリスク


「いつも」「絶対」といった決めつけや、過去の蒸し返し、強い言葉での圧力。
こうした叱り方は、指導ではなく“攻撃”になります。

一方で、何も言わないままでいると、
部下は育たず、問題は残り、不公平感だけが積み重なっていきます。

怒らないことは、優しさではありません。それは時に、組織を静かに弱らせる“放置”になります。
 

怒りは“壊す力”にも“育てる力”にもなる


研修終了後、多くの方が「怒ってもいいんですね」と口にされました。

やり方が分かれば、怖さは減ります。
管理職に求められるのは、感情を抑えることではありません。
感情を使いこなすことです。

怒りは、壊す力にもなれば、人を育てる力にもなります。
どちらにするかは、その伝え方次第だと思っています。

 

感情と向き合う現場という特性


先日、精神科医療を行われている

病院の医師・職員の皆さま約120名に向けて、

アンガーマネジメント研修を実施しました。

全員の方に受講いただけるよう、3月・4月にわたり3日間に分けての開催。
各回90分という限られた時間の中で、

基礎から実践的な「伝え方」までお伝えしました。
 

支える側にこそ必要な力


これまでにも何度か、精神科医療の現場で登壇させていただき、

感じていることがあります。

精神科医療の現場では、
体調や心のバランスを崩されている方と、日々向き合います。

そして同時に、
それを支える医療従事者の皆さまご自身も、
忙しさや責任の重さの中で、知らず知らずのうちに

心身の負担を抱えていらっしゃる。

つまり、「感情が揺れやすい状況にある方」と、日常的に関わり続ける仕事です。

だからこそ求められるのは、
専門知識や技術だけではなく、
自分自身の感情を扱う力=感情のコントロール力。

アンガーマネジメントは、
怒りを抑え込むためのものではありません。

自分の状態に気づき、
必要なことを、必要な形で伝えるための「技術」です。

この現場にも取り入れていただけたらと、心から思っています。
 

「点が線になった」と感じた瞬間


今回、印象に残った出来事がありました。

これまでに別の機会で、
私のアンガーマネジメントを何度か受講してくださっていた方が、
研修後にこう話してくださいました。

「今回で4回目ですが、これまでの点が線になった感覚です」

この言葉は、とてもリアルで、そして本質を突いていると感じました。

アンガーマネジメントは、
一度聞いただけで、すべてが腑に落ちるものではありません。
けれど、「知らない」と「知っている」では、大きな差がある。

さらに、同じ内容でも、時間をおいて何度か触れることで、
「あの時の話は、こういうことだったのか」と、

自分の経験と結びつく瞬間が訪れます。

過去の出来事や自分の考えと重なり、そのとき初めて、

知識が「理解」に変わり、
やがて「自分のもの」になっていく。

これは、私自身も何度も経験してきたことです。
 

感情は、敵ではない


怒りは、悪いものではありません。

それは、
「自分にとって大切なもの」を教えてくれる感情です。

ただし、扱い方を知らなければ、
人を傷つけたり、自分を消耗させたりしてしまう。

だからこそ、
「どう扱うか」を知っていることが大切です。
 

最後に


医療の現場は、人の痛みや不安に寄り添う、尊い仕事です。

だからこそ、
働く方ご自身の心も、守られてほしい。

アンガーマネジメントが、その一助となれば嬉しく思います。

 

先日、さぬきっずコムシアターさんからお声がけをいただき、
保護者の皆さまに向けてアンガーマネジメントをお伝えする機会をいただきました。
数年前、コロナ禍にWEB開催で担当させていただき、今回は2回目。

今回は託児付きでの開催。
募集開始後すぐに満席になったとうかがい、関心の高さに驚くと同時に、
とても嬉しく感じました。

 

 

当日は、熱心に耳を傾けてくださるお母さん方ばかり。
「最近イライラしたこと」を書き出すワークでは、ある興味深い傾向が見えてきました。

実は――
子育て中の保護者向け研修では、「子どもに対する怒り」よりも、
「家族や身近な大人へのイライラ」が多く挙がることが少なくありません。
今回もまさにその通りでした。

なぜなのか。

背景にはいくつかの要因が考えられます。
たとえば、近しい関係ほど無意識の「期待」が生まれやすいこと。
パートナーに対しては「同じ保護者として分かってほしい」「こうしてほしい」という思い。
あるいは、親世代との価値観の違い。
善悪の問題ではなく、ただ時代が違うというだけで、感覚は簡単には重なりません。

身近な関係ほど、怒りは強くなりやすい。
これは感情の性質として、ごく自然な反応でもあります。
 

人を傷つける怒り・人を動かす怒り

怒りは


・力の強いところから弱いところへ向かいやすい
・身近な相手ほど強くなる
・直接の原因とは別の対象へ向かうことがある(矛先を固定できない。八つ当たり)
・伝染力が強い
・しかし、ときに自分を動かすエネルギーにもなり得る

怒りは、単純な「悪者」ではありません。
扱い方次第で、人を傷つけもすれば、人を前へ進ませもする、

不思議な力を持った感情です。

日常の中で少しだけ怒りの仕組みを知り、少しだけ距離を取れるようになる。
それだけで、子育ての風景は驚くほど穏やかに変わります。

今回の時間が、皆さまの日常にそっと役立つヒントになっていれば幸いです。

そして、もうひとつ。
さぬきっずコムシアターさんは、
長年親しまれてきた古民家から旧城北幼稚園の園舎へ移られるとのこと。
あの温もりに満ちた空間で最後の研修を担当させていただけたご縁に、
静かな感謝の気持ちが込み上げました。

場所は変わっても、想いは変わらない。
新しい場所でのさらなる歩みを、心から応援しています。

 

先日、日本精神科看護協会香川県支部様よりご依頼をいただき、
アンガーマネジメント研修の講師として登壇する機会をいただきました。

実は、ご依頼いただくのは今回で3度目。
繰り返しお声がけいただけることを、心よりありがたく感じています。
 

 

香川県支部には約200名の会員が所属されており、
役員の皆様のご経歴も実に多彩です。
精神科病院の第一線でご活躍されている看護職の方々はもちろん、
訪問看護の現場を担う方、県立保健医療大学の教育に携わる方、
さらには高校の看護科で次世代を育てておられる先生方もいらっしゃいます。

まさに、精神科医療の「臨床・地域・教育」を横断する皆様のお姿に、
毎回深い敬意を抱きながら登壇しています。

今回の研修は、精神保健福祉法改正という社会的背景とも無関係ではありません。
2024年4月から、精神科病院における虐待通報制度が新設され、
虐待防止に関する研修の実施が原則として年1回求められるようになりました。

この制度改正は、単なるルール変更ではなく、現場の倫理観や人間関係、
さらには「感情の扱い方」という極めて人間的な領域にまで問いを投げかけている
――そんな印象を受けています。

アンガーマネジメントも、まさにその文脈に重なります。
怒りを抑え込むための話ではありません。
感情を無理に消すための技術でもありません。

目指すのは、
「自分の感情を理解し、選択できる状態をつくること」。
そのための実践的な視点とスキルを共有する時間となりました。

 

なぜ今、感情がテーマになるのか

当初の予定を上回る約50名の皆様にご参加いただきました。
精神科領域の看護職の方々に限らず、
非会員の方や他職種の方にもお越しいただき、

会場には多様な視点と温度が満ちていました。


会長はじめ理事の皆様の温かく力強いお声がけの賜物と、深く感謝しております。

 

 

 

医療の世界に限らず、
あらゆる職場において、感情との向き合い方は避けて通れないテーマです。
少し疲れを抱えた日常の中であっても、
視点がひとつ変わるだけで、見える景色は確かに変わります。

ほんの少し視点が変わるだけで、職場の空気は変わる。
ほんの一瞬の選択が、人間関係の未来を変える。

今回の研修が、どなたかの日常にそっと作用する小さな転機となっていれば、
これ以上の喜びはありません。

 

企業研修でアンガーマネジメントをお伝えする機会を、
ありがたいことにたくさんいただいています。

ときには、同じ社労士の先輩から
「顧問先企業で研修をお願いできませんか?」
とご依頼をいただくこともあります。

先週もそのご縁で、県内の企業でアンガーマネジメントをお伝えしました。

企業研修では、業務に直結する研修は経験があっても、
コミュニケーションや感情をテーマにした研修は“はじめて”
というケースが少なくありません。

でも実は、そこにこそ大きな可能性があります。

感情をぶつけないための“前提”

アンガーマネジメントが目指しているのは、
職場のトラブルを減らすことだけではありません。

自分で感情を扱えるようになること。
感情を人にぶつけなくなること。
その結果として、コミュニケーションが少しずつ良くなっていくこと。

そんな流れをつくることが、本質だと思っています。

怒りの奥には、不安や疲れなど、
別の感情が隠れていることも少なくありません。

「パワハラが怖くて指導できない」リーダーが増えている

最近の研修でよく耳にするのが、

「パワハラが怖くて指導ができません」
「注意したいけれど、線引きが分からない」

というリーダーの声です。

指導とパワハラの境界が曖昧に感じられ、
必要な声かけまで萎縮してしまう。

そんな現場が増えています。

だからこそ必要なのは「感情」と「法律」の両輪

私は社労士として法的な視点を踏まえながら、
アンガーマネジメントの技術も組み合わせてお伝えしています。

職場で必要なのは、

感情をぶつけない。
でも、言うべきことは言う。
人格ではなく行動を指導する。
目的を明確にする。

このバランスです。

指導できない職場は、優しいようで苦しくなる

指導がなくなると、
職場は一見穏やかに見えます。

でも実際には、
問題が放置され、負担が偏り、
静かに組織が疲弊していきます。

必要なのは、
感情を爆発させることではなく、
冷静に、誠実に、伝える力。

怒りは本来「こうしてほしい」というリクエストでもあります。

感情を扱える人が増えることは、
職場のコミュニケーションを変え、
指導の質を変え、
組織の風通しを変えていきます。

これからも研修を通して、
誰もが少し生きやすく、働きやすい職場づくりを
お手伝いしていきたいと思っています。

海の光がきらきらと揺れる小豆島の幼稚園で、
「子育てをもっと楽しむためのアンガーマネジメント」というテーマでお話をさせていただきました。

当日は大寒の翌日。
小豆島でも雪がパラパラと舞う寒い一日でしたが、そんな中たくさんの保護者の皆さま、そして保育士の先生方にもご参加いただき、心からありがたく感じました。

講演後には、保護者の皆さまから温かいご感想をたくさんいただきました。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「子育てにすぐ役立つ内容で、とても貴重な時間だった」
「日常の中で怒りのコントロールを意識して取り入れていきたい」
そんな声が多く寄せられました。

また、
「最近の自分自身を振り返るきっかけになった」
「育児だけでなく職場でも活かしていきたい」
と、生活のさまざまな場面につながる学びとして受け取ってくださった方もいらっしゃいました。

中には、
「帰ってすぐ家族と共有した」
「家庭の中でも思い出しながら実践していきたい」
というお声もあり、学びが家の中へ広がっていく様子がとても印象的でした。

さらに、
「怒りを表現することにマイナスのイメージがあって、つい溜め込んでしまう」
「怒りの奥にある本当の感情に目を向ける癖をつけたい」
といった深い気づきを言葉にしてくださった方もいました。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
怒りは突然生まれるのではなく、
不安や疲れ、悲しさ、焦りといった気持ちの上に現れるものです。
その仕組みも講座の中で共有しました。



帰りのフェリーで、先生からいただいたチョコレートを早速いただきました。
冷たい海風の中に、人の温かさがじんわり沁みいります。


子育ては毎日が本番で、思うようにいかないこともたくさんあります。
だからこそ、学びが日々の暮らしの中で小さく根を張り、

心の余白につながっていくことを願っています。

ご参加くださった皆さま、

そして温かく迎えてくださった関係者の皆さまに、心より感謝申し上げます。

生きていると、
心が晴れる日もあれば、
どんより曇る日もあります。

 

良いことばかりが続く人生なんてなくて、
静かに耐えるしかない時間も、
どうにもならない出来事もあります。

 

それでも、起きた出来事に
必要以上に振り回されすぎないで、
できるだけ “さらっと” 受け止めて、
静かな平常心でいたい——
そんなふうに思うようになりました。

 

幸せは、特別な出来事の中だけに
用意されているわけではありません。

「今、この瞬間を幸せと感じられるかどうか」。

ただそれだけの、
とてもシンプルなものなのだと腑に落ちた瞬間から、
私は自分にも他人にも
「幸せになりますように」という言葉を
あまり使わなくなりました。

 

すでに“ここにある幸せ”に
気づけていないだけかもしれません。

 

湯気の立つコーヒーの香り、
誰かの何気ないひと言、
きれいだなと思う空の色。

 

今この瞬間にある小さな幸せを見逃さず、
ちゃんと味わっていくこと。

 

その積み重ねが、
いつか振り返ったときに

「ああ、悪くない人生だったな」

そう静かに思える土台になるのだと思っています。


今日の空模様が晴れでも曇りでも、
これからも心の奥に、静かな場所をひとつ
持っていられますように。

 

私たちは日々の暮らしや仕事の中で、さまざまな出来事に出会います。
予定外のトラブル、ぶっきらぼうな一言、思い通りに進まない展開——。

そんな出来事が重なると、

つい表情や態度に不機嫌がにじんでしまうことがあります。
 

不機嫌は、立派な“メッセージ”


怒鳴らなくても、強い言葉を使わなくても、
・険しい表情
・ため息
・冷たい態度
・沈黙

こうした不機嫌のサインは、すべて周囲に伝わります。
一緒にいる人は気をつかい、緊張し、ときに傷つきます。

不機嫌は「ただの感情」ではなく、
周囲に影響を与える“行動”にもなり得るということを、忘れてはいけません。
 

職場ではどうなるか


職場のように多くの人が関わる場所では、その影響はさらに大きくなります。

一人の不機嫌が、
・相談しづらい雰囲気
・ミスを言い出しづらい空気
・発言が減るチーム

を生み出すことがあります。
それは
心理的安全性の低につながり、働きにくい職場をつくってしまいます。
 

感情は“自分で整えるもの”


ここで大切なのは、「自分の感情は、自分で扱うしかない」ということ。

誰かが機嫌を取ってくれるのを待つ。
良い出来事が起きるのを期待する。

それでは、心の舵を他人に預けたままになってしまいます。

完璧でなくていい。
落ち込む日もあるし、イライラすることもあります。

ただ一つ、静かに意識しておきたいのは——
不機嫌を、そのまま周囲へぶつけないこと。

自分のご機嫌は、自分で取る。

大きなことではなくても、
この選択の積み重ねが、

職場の安心感や人とのつながりを支えていくのだと思います。

「アンガーマネジメントを学ばせたほうがいい」

というアドバイス

 

「パワハラ加害者、

あるいは加害者になる可能性のある社員には、

アンガーマネジメントを学ばせたほうがいい」

 

ここ数年、企業が弁護士などの専門家から実際に受けている

アドバイスのひとつです。


2022年、全ての企業にパワハラ防止法が施行されて以降、
パワハラに関する懲戒処分を行った企業には、

「再発防止のために、具体的に何をしたのか」が、

これまで以上に明確に求められるようになりました。

 

その流れの中で、感情の扱い方を学ぶことは、

合理的な再発防止策のひとつとして位置づけられるようになっています。

 

実際、アンガーマネジメント研修の依頼理由には、

パワハラ防止対策としての視点が含まれているケースが少なくありません。

 

いきなり「加害者研修」は、うまくいかない

ただし、ここでとても大切なことがあります。
それは、最初から「加害者」だけに研修を受けさせないことです。

 

多くの企業では、

まず全社員を対象にしたアンガーマネジメント研修を行います。

この段階の目的は、「問題のある人を正す」ことではありません。

アンガーマネジメントを、社内の共通言語にすることです。

 

研修では、ハラスメントとは何か、

指導とパワハラの線引き、感情と行為は別物であること、

法令上どこからがアウトなのかといった点を、

ここで初めて自分の言動を振り返ることになります。

全体研修のあとに行う、個別のアンガーマネジメント

全体研修のあと、必要に応じて行うのが個別のアンガーマネジメントです。
対象となるのは、パワハラ加害者とされる方や、

感情マネジメントに課題を感じている方です。

 

個別研修では、

・どんな場面でイラっとしやすいのか、

・自分の怒りのパターン、

・「〜べき」という思い込みの棚卸し、

・怒りを感じたあとにどう伝えるかなど、

かなり踏み込んだ話をします。

 

ここで扱うのは、「怒らない方法」ではありません。

怒りは湧いてもいい。
ただし、その後の言動は選べる。

この視点を、時間をかけて丁寧に伝えていきます。

「受けさせられている研修」では、変わらない

正直に言うと、

本人が「変わりたい」と思っていない状態では、

どんな研修も効果は限定的です。

 

特に多いのが、いわゆる他責型の状態です。

・自分が怒ったのは相手が悪い。
・怒らせるほうに問題がある。
・自分は被害者だ。

こうした考え方のままでは、

アンガーマネジメントは「やらされた研修」で終わってしまいます。

他人に振り回されない、という選択

アンガーマネジメントでまず大切にしているのは、

他人の言動や感情に、できるだけ振り回されないようになることです。

 

相手の態度や言葉を変えることはできなくても、

それをどう受け取り、どう反応するかは、自分で選ぶことができます。

 

怒りを「相手のせい」にし続ける限り、

感情の主導権は、いつまでも相手の手の中にあります。

 

他責を手放すとは、自分を責めることではありません。
自分の感情と行動のハンドルを、自分の手に取り戻すことです。

怒りは「なくす」ものではなく、「扱う」もの

怒りは本来、

自分の身を守るため、自分の心を守るために生まれる大切な感情です。
 

問題なのは、怒りが出てきたことではありません。

問題なのは、そのあと、どう振る舞うかです。

 

怒りが湧くことと、

怒鳴ること、威圧すること、相手を追い詰めることは、まったく別です。

 

感情をコントロールすることは、

相手のためではなく、自分を守るために必要な力でもあります。

研修で必ず投げかける、二つの問い

個別研修では、必ず二つの問いを投げかけます。
怒ることで、あなたは何を得たいのか。本当は、どんな結果を望んでいるのか。

この整理ができていない怒りは、

腹の虫をおさめたい、相手に負けたくない、イライラをぶつけたい

といった目的にすり替わりがちです。
これらは、人や関係性を傷つけてしまう怒り方です。
怒りは、相手を打ち負かすための道具ではありません。

研修は「罰」ではなく、「再設計」の時間

アンガーマネジメント研修は、加害者を裁くためのものではありません。
自分の感情と向き合い、言動を選び直すための時間です。

そしてそれは、本人のためであると同時に、

組織を守るための取り組みでもあります。

 

怒りをなくすのではなく、怒りに振り回されない。
その力を、個人任せにせず、組織として育てていくこと。

 

それが、これからのパワハラ防止対策に欠かせない視点だと、

私は感じています。