こんな記事を読んだ。

"『日経ウーマン』とか、バリバリに働いている2、30代女性向けの雑誌を見ると、最近は、子育ても、ダイエットも、自己管理もちゃんとやって、男性よりすごい女性が実際に出てきているし、推されている"

"たとえば4時に起きて、子どもの朝ご飯を準備して、学校に送っていって、仕事に行って、子どもを迎えに行き、夕方には夫の晩ご飯までつくって"

"そういう女性を理想として仕立て上げると女性への負担が結局大きくなるんじゃないか"

"反面" "男性は、1個だけに突き抜けていればいい、みたいな話がある。対して、女性は全般に――人文社会系でもそうなんですけれども――ケアとか、いろんな人間関係の調整とか、いろんな複雑なタスクを求められる。"

"マルチタスクでない女性にとっては、家事を外部化、すなわちアウトソーシングすればよいという話もあり"
"先進国にはメイドさんに支えられるワーキングウーマンがたくさんいる"


https://keisobiblio.com/2017/04/19/gendertalk02/5/
より

何を娘に教えるか、将来を考えると、マルチタスクで仕事も生活も360℃の能力全部必要で。
そこまでしても、『仕事と家庭は両立できない?』のように、これはアメリカの話だけど、子どもに不調が出たらキャリアダウンもある。

ただ、女性の人生ではなくて子どもの健全な育ちと言う側面から考えると、落ち着いて世話をしてくれる大人が家にいつも居ることが必要で。

日本もそのうち、14才以下の子どもだけで留守番出来ない、とか、学校や習い事、お友達との約束などの外出の送迎を大人がしないと、とかってなるかも知れない。

子どもの育ちにとっては良いことだけど、そうしたらもっと手が必要になる。

メイドさんの話では、中南米の友人宅でお会いした家政婦さんを思い出す。

10歳頃から住み込みで働き始めて、その時70歳くらいだったかな。
その国の大学の学費は年間一万円だけど、お孫さんの代でようやく大学進学出来たそう。

友人夫が計算したら、家政婦さんの給料では、大学進学させるにはやはり3代かかるとか。
1日通いで(住み込みより安い)1000円くらい。
友人は相場の倍渡して、更に仕事が終わったら帰って良いシステムなので、仕事の出来る家政婦さんは、1日2軒仕事してたそうだけど。

そのお孫さんは、聞かなかったけど、男の子だろうか。

その友人の子の通う、高い現地の私立小学校(1ヶ月で6万。1年じゃなくて)に、うちの子達も少し通わせてもらったけど、お手伝いさんが送迎してるおうちも多い。

鉄格子の学校の入口の内側にいる守衛さんは、子どもの両親や祖父母や家政婦さん全員を覚えていて、お迎えに来た人の顔を見て、直ぐに子どもを呼んでくれる。

友人宅は、上流階級のご家庭が多い居住地にあり、そこでは女性もバリバリ働いているので、乳幼児を住み込みのお手伝いさんに預けて早朝に高級車でご夫婦それぞれ出ていく。

昼に(治安の問題で10〜20軒の住宅をぐるりと高い塀と有刺鉄線が囲み、門番や庭師がいる住宅街の)敷地内の公園で、家政婦さんが1歳くらいの子をカートに入れたままにして(多分日に何時間か日光浴させたら良いとかで指示されてるのかな)、ずっと携帯電話に目を落としたまま操作している。

家政婦さんも赤ちゃんも、二人とも無言で、赤ちゃんは目を合わせられることもなく、話し掛けられることもなく、硬い表情で。

私達はその横を通って、みんなでわいわいプール(これも敷地内)に行っていたけど、ちょっと切なくなる光景だった。
あの子は、どのような大人になるだろうか。

週末には良く、10人、20人単位のお客を読んで深夜まで豪華なホームパーティーが開かれるけど、ママは家政婦さんにメニューなど指示するだけ。
買い物から準備、後片付けは全て家政婦さんがする。

キャリアと家庭の両立の実態はこんなものだ。

翻って、その近所の市場では、両親の近くで、市場の子みんなが走り回って遊んでいて。
みんな、子どもらしく生き生きと笑っていた。

その子達はちょうど夏休みだったから市場にいただけで、学校には行けているとの事。
都会の路上だと、学校に行けてなくて親といる子もいる。

こちらは、古いタイプのキャリアと家事育児の両立。
みんながゴチャゴチャいてくっついて笑っていて、でも貧しくて。

どちらが子どもは幸せなんだろうかと。

女性の活躍や、男性の意識も大事だと思うけど、子どもの生育環境がひたすら気になる。