日帰り酒造り体験(半日コース)~関谷醸造 | 記録手帖~ブログ裏~

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さてさて、申し込んだのを忘れていたのだが・・・

当日1週間くらいに案内の郵便が。

当日は早く家を出る事になるので、時間忘れ防止に相方に言っておいたら・・・

 

 

「ちょっと酒作ってくる」

 

「は?作る??」

 

 

今何言ったコイツ?的な反応が返ってきた。

うむ、相方よ、聞き間違いではないぞ。

 

 

関谷醸造の「日帰り酒造り体験(半日コース)」。

本来なら1日コースもあるが、コロナ影響で自粛中。

 

1日コースだと試飲もあるらしいのだが、半日コースは無し。

場所的に自家用車で行くのが楽なので、半日コースの方が都合が良かったりする。

 

注意すべきは、

 

「体験の前日と当日は納豆および納豆を原料とする料理を

食べたり調理しないでおいて下さい」

 

という注意書きくらいだろうか。

 

発酵食品について調べた時に知っていたけど、「納豆菌は最強」らしいので。

「納豆を作る部屋で別の発酵食品を作るな」とか言われてるらしいからなぁ。

 

 

セミナー会場は吟醸工房の2Fにて。

ホワイトボードを前に、長机が2列で配置するよくあるセミナー室という感じなのだが。

コロナ対策で各机の前に、天井からビニールシートの仕切りが。

透明だけどホワイトボードは見辛い・・・ので、手元に資料が。

 

 

5工程書かれているけれど、今回の体験は工程の最後。

「留掛米」を入れる部分のみである。

酒造り工程の1/100くらいの体験、との事。

まぁ酒造りには時間が掛かるのだから仕方が無い。

 

資料だと日付部分が空白になっているけれど、

各仕込みの日付は一番最初が3月27日まで遡るらしい。

 

 

〇工程1(図面左上) 酵母仕込み(3月27日)

酵母仕込み水+酵母麹+酒母掛米

 

「酒母掛米」「酵母麹」「酒母仕込み水」の仕込み。量はバケツ1杯分くらい。

要は、「米、米麹、水」。これだけだと只の甘酒。

なのでアルコール発酵させる酵母と、腐敗防止の乳酸も投入。

通常手作り甘酒の日持ちは1週間、日にちが経つ程酸味が出るからなぁ・・・。

 

乳酸不使用の江戸時代では、代わりに低温で毎日混ぜていたらしい。

 

〇工程2(図面一番左) 仕込みタンク(3月8日)

工程1の酵母を仕込みタンクへ投入。

今回は200Lの仕込みタンクを使用。

 

通常は30000L、米1トン用のタンクを使う、との事。

200Lという少量での仕込みは、酒蔵数あれど関谷醸造くらいなのだとか。

 

〇工程3(図面左から2番目) 初添仕込み(3月8日)

酵母に「添掛米」「添仕込み水」「添麹」を投入。

この後、「踊り」として1日置いて次の工程へ。

 

〇工程4(図面左から3番目) 仲添仕込み(3月10日)

初添仕込みに「仲掛米」「仲仕込み水」「仲麹」を投入。

要は前工程の繰り返し。

 

〇工程5(図面一番右) 留添仕込み(3月11日)

仲添仕込みに「留掛米」「留仕込み水」「留麹」を投入。

これも前工程の繰り返し。

 

「添」「仲」「留」の三段仕込みは、全酒蔵共通。

江戸時代から続く仕込み方なのだとか。

 

 

酒の仕様としては、今回はやや華やかな麹を使用。

 

蒸し米はやや甘口の仕上がりにする為、柔らかめに。

固く蒸すと「辛口」、柔らかめに蒸すと「甘口」の酒になるらしい。

 

酸味は中間。濃厚淡麗さも中間との事。

 

掛米は一般米「チヨニシキ」。今回体験で触ったお米はこれ。

酒米は「山田錦」を使用。

磨きは55%との事なので、吟醸酒・・・という事になるのだろうか。

 

体験作り後は、GW(5月6日頃)に搾り。

5月下旬から6月上旬頃に、お一人様一本、今回仕込んだ生酒が届けられる、との事。

火入れ、本数の追加も可能。

本数追加を希望する場合は、後日酒蔵へ連絡。

追加料金は1,800円程との事だけど、吟醸酒なら納得のお値段。

 

 

セミナー参加者は自分を入れて12名。

自分ともう一人が個人での参加。

残り10名は豊橋からの、愛知大学教員と生徒さんご一行。

OB含めて何かとご縁のある大学らしい。

 

 

最初に工程5の部分の説明を聞き、帽子と白衣を着用。

髪を帽子の中に収める為、長い場合は括っておくのが良さげ。

手洗&アルコール殺菌の後、作業へ。

 

金網台の上に布が敷かれており、その上に蒸したての米が乗せられた後。

米は一般米の「チヨニシキ」。

まずは「ひねり餅」を作って試食。

 

適当に米の山から一掴み取り、手の平でひねるように潰して餅状に。

蒸し米の固さと、米の甘さの体験。

柔らかめと言ったけれど、粒粒感をしっかり感じるくらいの固さが。

しかし芯は残っておらず、ふっくら蒸し上がっている。

 

10kg単位で米を秒単位で測って洗米。

柔らかめに蒸す為、13.2kgになるまで吸水。(通常は13kg)

吸水量で米の固さが決まるのだとか。

 

 

その後は熱さに注意しながら、15度(室温)まで冷ます為、手で広げる作業。

 

山盛りの米はかなりアツアツで、広げるのも一苦労・・・と思ったら。

「底からすくって天地返しすると楽ですよ~」と途中で説明が。

 

な、成程、金網台だから、底からも冷めるのか・・・。

つい米の山に目が行っていて気付かなかった・・・。

 

因みに、作業後は手が驚くほどすべすべに。

 

そういえば米って手に付きやすいイメージだけど、全然手に付いていない。

米の固さのせいか・・・と思ったら、糠を徹底的に洗っているから、とのこと。

 

10kgの米を、40~50Lの水で何度も洗米する為、

酒造りは水が豊富な場所でないと作れないとの事。

洗う水は仕込み水と同じものを使っているらしい。

 

 

作業後は米が冷めるまで、酒蔵内の見学、セミナー室での説明など。

 

米が15度まで冷めた後は、仕込みタンクに蒸し米を投入。

タンク内には、仕込み後の温度を「5度」に下げる為、大量の氷が。

 

「かい」と呼ばれる道具で、氷諸共底から掻き混ぜる作業の体験。

掻き混ぜ後は、タンクを囲んで記念撮影して体験終了。

 

タンクには札が掛けられており、今回のタンクは「185」。

9月1日から酒仕込みを始めて、185番目という意味。(大体1日1タンク)

仕込みは6月半ばまで続くらしい。

 

 

酒蔵内の見学は、洗米作業の現場や、各設備の部屋への案内、説明など。

 

小仕込みタンク(200L)の部屋では、先日の体験セミナーで仕込んだタンクの様子を見せてもらったり。

アルコール発酵が進むと、大量の泡が出る模様。

室温は発酵に合わせて5度と低め。

流し台には、酵母と培養液に入った、栓付きの巨大フラスコが。

丸フラスコに三角フラスコ・・・分かりやすくする為か、形も様々。

 

酵母は日本醸造協会提供のものに加え、独自で20種類程保有しているのだとか。

部屋にあったフラスコは5本程だったけど、別の場所でも保管しているのだろうか?

 

 

普通の仕込みタンク(3000L)は、部屋を冷やすのは大変・・・

なので、二重構造の水冷式。

タンク内に温度センサーがあり、温度が高くなると5℃の冷却水が回る仕組み。

 

タンクの蓋を開けると転落防止の金網が。

因みに、金網より下の部分まで顔を近付けて息をすると・・・

強烈な炭酸ガスに襲われて悲惨な事になる。

(最初の犠牲者は思いっきり蒸せて飛び退く羽目に。因みに自分ではない)

 

感覚としては、炭酸飲料を一気飲みした時に、炭酸が鼻を抜ける感覚の超強化版。

万が一タンク内に落ちようものなら、炭酸ガスに襲われて死亡確定らしい。

お、恐ろしい・・・というワケで、転落防止の金網は必須。

 

 

圧搾機のある部屋では、小仕込みタンク用と、通常タンク用のものが。

酒を絞って、漉し布に残ったものが酒粕。

漉し布の繊維は何ミクロンだったか・・・

酵母は通り抜けられないけれど、酵素は通り抜ける細かさらしい。

 

というワケで、搾ったお酒には、アルコール発酵酵母は無いが、酵素は残った状態。

生酒を貯蔵しておくと、酵素の効果で甘味旨味が増すのだとか。

今回一人一本、後日生酒が届けられるが、味が足りないと思った場合、

8月くらいまで貯蔵しておくと良いとの事。

 

 

一方、酒粕には、酵母も酵素も残っている状態。

そこで酒粕を更に発酵させて蒸留する蒸留室。

焼酎も作っている関谷醸造だが、原材料を見ると「酒粕」とある。

 

数年前から、酒に入れる醸造アルコールも自社製になったと聞いたけど・・・

酒粕で作っていたって事なのだろうか。成程納得。

 

 

酒蔵見学後は、皆さん1階の売店で色々と買っていた模様。

酒造り体験の為に、わざわざ交通の便が良くない場所まで出向く人達である。

当然お酒も好きだろうし、酒蔵限定のものもある・・・買わない理由が無い。

 

 

というワケで、自分も何か買ってこうと店内物色。

冷蔵庫内に「酒蔵春限定」の純米大吟醸生酒を発見。

しかも使用米に「但馬強力100%」とある。

あまり・・・というか、飲んだ事が無い酒米だった気が。

 

月末に浦野酒造の酒蔵開放用限定酒が控えているけど・・・

序でにまだ先日買った袋漉し酒も残っているけど・・・

純米大吟醸なのでお高いけど・・・!

うむ、買っておくか。酒蔵季節限定だし!!←

 

 

さて、後はお酒が届くのを待つのみ。

5月下旬か、6月上旬か・・・いや、その前に追加で1本頼んでおいたから、

その件で後日連絡があるとか言っていたっけ。

連絡が無い場合は、忘れずに確認せねば。

 

仕込みの様子は、蓬莱泉のブログで確認出来るようなので。

時々覗いて確認しよう・・・仕込み185号、だった、ハズ(うろ覚え)。

使用酵母は1801と1401だったか・・・?(更にうろ覚え)。

 

一応、体験中は写真撮影可だけど、スマホだと落としそうなので止めたからなぁ。

愛知大学の方は一眼レフを首から下げて、ガッツリ記録していたが。

授業の一環なのだろうか?

酒造り体験したい人で集ったと言っていたから、授業とは別??

 

 

 

以下、記録用写真。

 

手元資料には無かったけど、ホワイトボードに仕込み前の工程図が。

今回の体験は「醪」の最終工程部分だろうか。

 

 

 

体験中の酒造り説明にて、

 

「酒母掛米」「酵母麹」「酒母仕込み水」の3つで出来る物は?

 

の問いに答えたら、正解の粗品として「蓬莱泉『空』キーホルダー」が貰えた。

因みに答えは酒粕である。

最近作って無いけど、少し前に「甘酒」や「三五八漬け」とか作りまくっていたからなぁ。

 

そういや、先日本社で米麹を買っていたのを忘れていた。

今回吟醸工房でも売られていたのを見て思い出した・・・賞味期限どうなっていたかな?

本社では真空パックだったけど、吟醸工房のはチャック付きビニール袋詰め。

何故か包装が違う・・・チャック式の方が使いやすそう。

真空パックの方が保存性は高そうだが。

 

 

蔵元限定且つ春限定だという、純米大吟醸生酒。

但馬強力(ごうりき)100%。

鳥取県で栽培されている「強力米」から優良選抜され、

戦前に兵庫県で栽培されていた酒米らしい。

背丈の高さに特徴がある為、栽培が非常に難しいのだとか。

 

そういえば、一年不動にも「但馬強力」があったような・・・と思ったら。

公式サイトに「2020年で終売」とある。

 

となると、関谷醸造での「但馬強力」使用のお酒は貴重になるのだろうか?

 

 

 

「但馬強力」が終売になった「一念不動」のコーナーに、

「新たなスタート」と書かれたプラカードが。

どうやら「夢山水」一本に絞る模様・・・?