月の巻-歌詞- | 『花のほかには』-fuyusun'sワールド-

『花のほかには』-fuyusun'sワールド-

fuyusunの『何じゃこりゃ!長唄ご紹介レポート』
自己満足ブログですみませんm(_ _)m

野路の玉川萩越えて色なる波と読み人の
俊頼卿に引きかえて、いざよう月のしなものに
冴えた仕丁の出立ち栄え。
水の鏡に影宿る、姿をここに狩衣の
主やゆかしと振袖に、包む思いの解けしなく
結ぶの神へ願事を、掛け奉る白張に
烏帽子も気軽気さく者
今日のお出では紺屋の使い、とはどうでんす
色の事じゃと取っている
オオさてそんなら明後日か、ハテそうであろう
そうかいな、忍び詣での帰り路も
隈なき夜半に雁金の、薄墨に書く玉章と
誰が夕紅葉織り映えて、
秋野の錦いろいろの、
色を染めなす立田姫、姿もさぞな朝顔の
差す手引く手に小車の、花を巡らす舞扇
返す袂をちょっと男郎花、何を紫苑の仇心
萩の浮気につい招かれて
薄に露のこぼれ萩、うらやまし
千種結びにこちゃよい殿と
縁し定めて二世掛け香りの嬉しさに
長柄の蝶の妹背事、いつかいつかとその蜩を
待つに松虫やるせがのうて、もしや夢にも君こおろぎと
中で蛍の焦がれていなご、きりぎりす、寝もせで賤の遠砧
井出の山吹蛙がなぶる、サッサそっこでどうじゃない
回る津の国卯の花薫る、月が鳴いたか時鳥
武蔵が調布野路の萩、野田に千鳥よソレ高野じゃ
飲めぬ水
鎌倉見たが江戸見たか、江戸は見たけど
鎌倉名所はまだ見ない
派手な振袖ソレそっこが花じゃもの
エエそちらまで憎らしい
テモさっても和御寮は、誰の神のみたねにて
天冠かつらをしゃんと着て、踊る振りが見事え
吉野龍田の花よりも、紅葉よりも
恋しき君が殿造り
萩の枝折りをしるべにて、いざやとあるを止むる袖
ふりきり原の駒ならで、心の手綱一筋に
月の玉鉾、あとに本当こりゃどうじゃ
あいつ一人で取り持ちを、科戸の風に入船は
しかも常陸の鹿島浦、コレワイナ
今年や世がよい豊年で、米が十分色事も
ホウヤレホウ
穂に穂が咲くといな、オヤモサ、オヤモサ
ヤア対の定紋、どうしたひょうりの瓢箪で
ヨイヨイ、恋を知らざる
鐘撞く野暮めは西の海、ヤレコレそこらでこれわいな
可愛いがられた竹の子も、今は抜かれて剥かれて
桶のたがに掛けられて〆られた
〆ろやれ、ヤレコレそこらでこれわいな、面白や
その戯れに興増して、また明日も来ん名所の
眺めにあかぬ風情かや