勢い(いきほい)-歌詞- | 『花のほかには』-fuyusun'sワールド-

『花のほかには』-fuyusun'sワールド-

fuyusunの『何じゃこりゃ!長唄ご紹介レポート』
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勢ひ和朝に名も高き、曽我の五郎時致、逆沢潟の鎧蝶、裳裾にすがる鶴の丸、

素袍の袖をかき撫でて、留めるは鬼か小林の朝比奈ならぬ優姿。

女のよれる黒髪に、引かれて止まる心なら、やらじと引けば時致は、日頃の本望父の仇、

妨げなすなと突き飛ばし、廓のじゃれとは遊ふぞよ、離せ留めた。

留めてよいのは、朝の雪、雨の降るのに去なうとは、そりゃ野暮ぢやぞへ待たしゃんせ。

起請誓紙は嘘かいな、嘘にもじゃれにも誠にも、余所に色増す花眺め、

そして騙して、それそれ其顔で、怖いこと云うて腹立しゃんす。

そちら向いてゐさんしても、顔見にゃならぬ、末を頼みの通う神

かよわき少将朝比奈が合力は素袍の袖添へて、互に劣らぬ有様は、

貴賤上下おしなべて、感ぜぬものこそなかりけれ。