舌だし三番叟-歌詞- | 『花のほかには』-fuyusun'sワールド-

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fuyusunの『何じゃこりゃ!長唄ご紹介レポート』
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長唄全集(6)舌出し三番叟/汐汲/芳村伊十郎(七代目)
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(清)その昔、秀鶴の名にし負ふ、志賀山風流の三番叟
(三)おさえおさえ、喜びありや、喜びありや
  我が此所より外へは遺らじとぞ思う
(長)似せ紫も中々に、及ばぬ筆に写し絵も
  いけぬ汀の石亀やほんに鵜の真似鴉飛び
(清)とっぱ偏へに有難き、花のお江戸の御贔屓を
  頭に重き立烏帽子
(長)さっぱも己が古郷へは、錦と着なすお取立
  おこがましくも五年の
(清)今日ぞ祝ひに
(長)さむらふよ、天の岩戸のな
  神楽月とで祝ふほんその年も
  五つや七三ツ見せうと縫の模様の糸様に
  竹に八千代の寿こめて
(清)松の齢の幾万代も変らぬためし鶴と亀
  ぴんとはねたる目出鯛に海老も曲りし腰のしめ
(長)宝尽しや宝船
(清)やらやら目出度いな
(長)四海波風治まりて
(清)常磐の枝ものほんよえ
  木の葉も茂るえいさらえいさら
  鯉の滝登り
  牡丹に唐獅子から松を見事に見事に
(長)さつても見事に手を尽し
  仕立栄あるよい子の小袖、着せて着つれて合参ろかの
  肩車にぶん乗せて
(清)乗せて参ろの氏神詣、杵が鼓のでんつくでん
(長)笛のひつぎの音も冴えたりな
  冴えた目元のしほらしさ
  中の中の中娘をひたつ長者が嫁にほしいと望まれて
(清)藤内次郎が橡栗毛に乗って
  エイエイエイ
  えっちらおっちら、わせられたので
  その意に任せ申した
(長)さて婚礼の吉日は縁をさだんの日を選み
  送る荷物は何やろな
  瑠璃の手箱に珊瑚の櫛笥、玉を展べたる長持ちに
  数も丁度のいさぎよや
(清)様はなぁ百までなぁぇ
  わしや九十九までなぁぇ
(長)ともになぁ
  白髪のなぁぇ
  生ゆるまでなぁぇ
(清)嫁とは言えど世間見ず駕籠の内外の思わくが
  はつかしみじみ案じられ
  袖に添い寝の新枕
  交わす言葉もなんと言て、どうした宵の口と口
(長)女夫の銚子の盃も呑まぬうちから殿御にのまれ
  耳より先へ染めて濃き、顔も紅葉の色直し
  それから床に差し向かい
  怖さ半分、嬉しさも
  先へはいでず後退り
(清)互いに手さへ鶏鐘の声がとりもち
  ようようと明けゆく空を月にして
(長)妹背結んで女夫仲睦まし月と岩田帯
(清)やがて孫
  曾孫玄孫をもうけ、末の楽しみ、この上や
(長)あら喜ばしの尉が身と
(清)心浮立つ踊り唄
(長)花が咲き候、黄金の花が、てんこちない
  今を盛りと咲き匂ふ、てもさても見事な黄金花
(清)欲しかおましょぞ一と枝折りて
  そりゃ誰に
  愛し女郎衆のかざしの花に
  ホオヤレ、恋の世の中
(長)実恋の世の中
(清)面白や
  直ぐにもあがりお目見得を
(長)またこそ願ふ種蒔や
  千秋万歳
(清)万万歳の末までも
  賑はふ御代とぞ舞ひ納む


この曲は本来長唄と清元との掛け合いのものです。

(長)が長唄。(清)が清元です。