いつせいに薔薇のかたむく風のなかあなたの影をまた見失ふ
手のひらに甘く匂へる梅の実もひとときのこと 水辺を歩む
花首を切られし薔薇の茎一本やさしく吹ける風には揺れず
バス停に人を見送りいつまでも飛びたたざりき おもちやの蝶は
車ごと。さう、崖下へ。心中の夢よりさめてコーヒーを飲む
たくさんの薔薇を見ました。
ひとくちに薔薇と言ってもいろんな種類があって覚えきれません。
ひとつひとつの文字がいろんな言葉になるのと同じように、薔薇も交配を重ねているのでしょうか。
薔薇と言えば思い出す短歌があります。
黒瀬珂瀾『黒燿宮』より
・エドガーとアランのごとき駆け落ちのまねごとに我が八月終る