6月30日


「人生は風前の灯」。原典は中国から来ていることわざのようですが、夫が亡くなった時に若いフランス人の友人がお悔やみのカードにローマ字で記してきた言葉です。


夫を亡くしたばかりだった私はこの言葉の深さに心を打たれたと同時に、そのとおり、私も、はたまた若い友人も、誰もが風前の灯の人生を生きているのだと、それなら燃えている間をよく燃えようと考えるきっかけを与えてくれました。


まだ20代のこの友人、宮崎アニメの大ファンなのでそんな関係でこのことわざを知っていたのかなと思って聞いてみたらなんとガンで亡くなったお祖父様が亡くなる少し前に教えてくれたとのこと。若いのに家族関係ではいろいろ苦労してきた友人にとってもこの言葉はとても大事なものだとのことです。


医学が発展して戦争も減った社会で暮らしていると人が生まれたら誰もが80歳、90歳、又はもっと長く生きるのが普通のような感覚を持たされますが、それは人間の奢りでしかないのをすっかり忘れてしまっています。


「人生は風前の灯」、時々思い返すようにしています。