2月16日


最近はフランスでも火葬を希望する人が増加しており、火葬場は常に混んでいる様子で夫の葬儀の日取りも火葬場の予定に合わせて23日と決まっています。


亡くなったのが10日なので葬儀までかなり時間があります。遺体の状態も最良のままというわけにはいかないと思うので早いうちにお別れしようと思い、一昨日お別れに行って来ました。(フランスでは自宅に遺体を安置しないことが多く、葬儀屋で保管、予約を取ればいつでも何度でも会いにいくことができます。)お葬式の当日に棺を閉じる時に最後のお別れをすることも可能ですが、おそらく劣化していると思うので先日見た穏やかで美しい姿を最後のイメージとして大切にしたいのでもう見ないでおこうと思います。


夫の死にあたり、考えを変えたことが2つあります。それは「死んだ肉体を見ること」と「あの世があると思うこと」です。


以前は亡くなった人に「会いにいく」というのが本当に嫌で見ずに済ませていましたが夫の時は全く迷わず最後の姿を見に行きました。亡くなった時は生々しい姿でしたが改めて相応しい服を着せてもらい、整った穏やかな姿を見て、ついに苦しみから解放されてよかったね、と私達も気持ちが安らぎました。


夫が亡くなる前は、死者が天国に行って向こうで生きているという考えは科学的にナンセンスだと夫共々考えていたのですがいざ夫が亡くなるとやはり夫はあの世に行って、先に亡くなった義母や叔母達、私の父らと再会して笑顔で過ごしていると考える方が自分の気持ちが安らぐことに気付きました。もちろんそれが非科学的なことは百も承知ですがそんなことはどうでもよいのです。いつか私も彼らのところに行くのだと思うと逆に生きる勇気が湧いてくるので不思議なものです。