【2駅だけの恋】

1話はこちら👇

ドキドキも、電車を降りてしまえば
すぐに日常のスピードに戻っていく

A上司(見た目も中身もツッコミどころ満載。えー上司ではない)が出勤してくれば
「今日も無事に来たか…」と、いちいち心でつぶやく

仕事に集中すれば、あのドキドキも、何もかも忘れていく
時間になれば急いで帰宅、お迎え、晩ごはんづくり、お風呂
「はよ寝ろー!」と叫ぶ毎日

そうしてまた、朝が来る

「…まだ火曜日かぁ。今日はごみの日じゃないな。」
そう思いながら駅に向かう

乗り換え十字路チャレンジも無事通過
今日は一日一善娘には出会わなかった

劇混み地下鉄へ乗り込む、その瞬間——

あっ!ドキドキを思い出す………

扉が開いて目の前に…いた!
昨日の、あのフワ男(ふわっとパーマ男子)

えっ。また目が合った…?
いや、合ったよね?

私は勝負に出た
彼の近くの手すりにつかまる

えっ、向こうも意識してる?
してるよね? チラ見したよね??

ドキドキと動揺を隠すように、スマホを見る
見てるけど、見れてない

ドキドキが止まらない…
右手で持つ手すりに、彼の腕がほんの少しかすれる

——ぎゅうぎゅうの満員電車。逆に自然
これがおじさんだったら、何としても距離を保つけど

目が合って、意識して、ほんの少し触れて
駅について、心の中で「行ってきます」とつぶやく(ちょっとキモいか)

また、日常のスピードに戻る

たった2駅
でもこのドキドキが、明日の私をちょっと楽しくする


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