劇作世界の中には、奇跡が詰まってる。
奇跡とは、
直線では起こるはずのなかった事。
小説より、戯曲を好むのは、
より、人にフォーカスされているから。
演技者として、劇作世界の中の奇跡にうっとりしてきた。
でもね、やっぱり、わたしは現実世界を愛しているし、この重い肉体を持って物質社会を生きていくんだ、と思う。
だからこそ、劇作世界の中に留まらず、外へ外へ、奇蹟を探して行こうと思う。
自分の内から外へ。
劇作世界から外へ。
詰まるところ。
上手くなりたい。
あのパトリック・シャンリィの稽古場で涙した事、思い出した。
奇跡を見た。
二重の軌跡。
あの時間を持てた事。
「この戯曲好きだわ」と同じことを思っていた事。
あの戯曲に出会えた事。
その人に出会えた事。
やばい、軌跡ばっかり!!
世界はやっぱり美しい、と何度も思う。
と、ダサい事思いながら、
仕事へ行くバスに乗る。
恨み節や悲しみや呪いで創造の世界を満たしたくない。
世界は美しいんだって、やっぱり。