治療再開まで …卵巣茎捻転とドリリング手術、先生との出会い
治療再開〜現在まで …体外受精に進むまでのこと
前回までの流れ。。。。
卵巣ドリリング手術の効果は全くなく
妊娠に至らなかった私
先生の勧めもあり
体外受精へステップアップをします
夫の検査も無事にクリアし、
採卵周期の誘発を経て…
そうして
ようやく迎えた採卵日当日
採卵後の診察室で
先生の口から出た言葉に
衝撃を受けます
。。。。
※誘発と採卵をしたのは、それぞれ別の先生です
今回とても長くなってしまいました。お気をつけて…
“卵が一つも採れなかった”
私の耳には
確かに、そう聞こえました
…卵胞は無数にあったはず。
なんだろう…
何が起こっているんだろう
診察室にて
先生
「何度も刺してみたけど、一つも採れなかったんだ」
私
「…先生」
先生
「うん」
まって…ちょっと、まって…
どういうこと………?
私
「…卵胞は沢山あったんです…!全部、空だったってことですか…⁉」
先生
「ううん、そうじゃない。…何かおかしいと思って、緊急で採血オーダーしてみたんだ」
先生
「だから呼ぶのが遅くなっちゃって…。ごめんね」
やっぱりあの採血は
先生が緊急で決めたものなんだ…
先生
「採血の結果を見ると、E2のホルモンの値は5000を超えてる。だから卵はあるはずなんだ」
先生は紙とペンを取り出し
卵胞と卵子の絵をささっと書いて
説明してくれました
先生
「卵胞の中に卵子がある。卵子は卵胞壁という壁にくっついている」
私
「はい…」
先生
「この卵胞壁から卵が剥がれ落ちないと、卵が採れないんだ」
先生
「おそらく…この卵胞壁から卵子を剥がす為の薬が、ぱんなさんには全く効いてない」
卵胞壁…。
薬が、効いてない…。
ちょっと待って
ダメ、頭が…
先生
「ブセレキュアが、効いてないんだと思う」
先生
「注射の方が良かったのかもしれないね…。とりあえず卵巣の様子を診たいので、内診させて下さい」
私
「はい…」
椅子から立ち上がろうとした瞬間。
ふらっ…と軽い目眩に襲われ
壁に手をつきました
(しっかりして、自分)
壁についた手は
わずかに、震えていました
内診室にて
先生
「まず止血の為のガーゼ取りますね」
えっ、ガーゼ入ってたんだ?
気づかなかった…
先生
「血は止まってるから、大丈夫だよ。内診しますね。痛かったら言ってね」
私
(うわ…すごい………)
エコー画面に映し出された
私の卵胞…
あんなに沢山あった卵胞は、
その一つ一つが全て潰れて
いびつな形になっていました
こんなに何度も採ろうとしたのに
一つも採れなかったんだ…
一つも…
先生
「ブセレキュアは何回したの?」
私
「一日、2回。20時と22時に…」
先生
「20時と22時か…。内診終わりますね。着替えて診察室へどうぞ」
診察室にて
先生
「…何か聞きたい事ある?」
声を出そうとするだけで、
話をしようとするだけで、
もう、泣いてしまいそうでした
私
「今は…何も…思い浮かばない、です」
先生
「そっか…うん…」
先生
「もし生理痛より酷い痛みや、出血があったらすぐに連絡して。いつでも対応するからね」
私
「…」
先生
「麻酔の後だから…気をつけて、帰ってね」
私
「はい…」
診察室を出ると、夫が心配そうに
こちらを見つめていました
一緒に待ち合いを出て、
エレベーターの前で打ち明けました
私
「卵、一つも採れなかったよ…」
夫
「…へ?まじで?」
私
「いっぱいあるのにっ…採れなかった…!」
夫
「……そか。…うん」
私
「……」
夫
「大丈夫だ、大丈夫、大丈夫。とりあえず帰ろう」
夫
「あんパン食うか?」
私
「……いらない」
夫が差し出したのは、売店で買った
食べかけのあんパンでした
いつのまに腹ごしらえしたん…
帰宅後
夫が焼きそばを作ってくれました
私
(具がないし、何かパサパサだし…)
夫
「よし、食おーぜ」
具のないパサパサの焼きそばを
一口、口に入れた時
涙がドバーっと、溢れてきました
私
「…うぅ…おいしぃ…
夫
「おう。大丈夫だ、大丈夫。大丈夫だから…」
夫は何度も『大丈夫だ』とつぶやき、
あんパンと焼きそばを
交互に食べていました
涙と鼻水でグズグズになりながら
夫が一緒に居てくれて良かった、と
………思いました