ひとつも採れなかった卵 | ぱんなのポンコツロード。

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ー10年不妊からポンコツ育児へー
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の為、10年間の不妊でした。
手術、治療を重ねてようやく第一子長女出産。
不妊治療、初めての妊娠出産、育児の記録を綴ります。

最初の治療〜挫折まで …子宮退化宣告から始めた通院

治療再開まで …卵巣茎捻転とドリリング手術、先生との出会い

治療再開〜現在まで …体外受精に進むまでのこと



前回までの流れ。。。。


卵巣ドリリング手術の効果は全くなく
妊娠に至らなかった私

先生の勧めもあり
体外受精へステップアップをしますニコニコ

夫の検査も無事にクリアし、
採卵周期の誘発を経て…

そうして
ようやく迎えた採卵日当日おねがい

採卵後の診察室で

先生の口から出た言葉に

衝撃を受けます


。。。。

※誘発と採卵をしたのは、それぞれ別の先生ですニコニコ

今回とても長くなってしまいました。お気をつけて…






“卵が一つも採れなかった”


私の耳には
確かに、そう聞こえました




…卵胞は無数にあったはず。





なんだろう…

何が起こっているんだろう





診察室にてPC

先生お父さん
「何度も刺してみたけど、一つも採れなかったんだ」

もぐもぐ
「…先生」

先生お父さん
「うん」



まって…ちょっと、まって…


どういうこと………?



もぐもぐ
「…卵胞は沢山あったんです…!全部、空だったってことですか…⁉」

先生お父さん
「ううん、そうじゃない。…何かおかしいと思って、緊急で採血オーダーしてみたんだ」

先生お父さん
「だから呼ぶのが遅くなっちゃって…。ごめんね」



やっぱりあの採血は
先生が緊急で決めたものなんだ…



先生お父さん
「採血の結果を見ると、E2のホルモンの値は5000を超えてる。だから卵はあるはずなんだ」




先生は紙とペンを取り出し鉛筆

卵胞と卵子の絵をささっと書いて
説明してくれました



先生お父さん
「卵胞の中に卵子がある。卵子は卵胞壁という壁にくっついている」

もぐもぐ
「はい…」

先生お父さん
「この卵胞壁から卵が剥がれ落ちないと、卵が採れないんだ」

先生お父さん
「おそらく…この卵胞壁から卵子を剥がす為の薬が、ぱんなさんには全く効いてない」




卵胞壁…。

薬が、効いてない…。



ちょっと待って

ダメ、頭が…





先生お父さん
「ブセレキュアが、効いてないんだと思う」

先生お父さん
「注射の方が良かったのかもしれないね…。とりあえず卵巣の様子を診たいので、内診させて下さい」

もぐもぐ
「はい…」






椅子から立ち上がろうとした瞬間。

ふらっ…と軽い目眩に襲われ
壁に手をつきました





(しっかりして、自分)





壁についた手は
わずかに、震えていました








内診室にてPC

先生お父さん
「まず止血の為のガーゼ取りますね」


えっ、ガーゼ入ってたんだ?
気づかなかった…笑い泣き


先生お父さん
「血は止まってるから、大丈夫だよ。内診しますね。痛かったら言ってね」

もぐもぐ
(うわ…すごい………)



エコー画面に映し出された
私の卵胞…

あんなに沢山あった卵胞は、
その一つ一つが全て潰れて

いびつな形になっていましたショボーン

こんなに何度も採ろうとしたのに
一つも採れなかったんだ…


一つも…




先生お父さん
「ブセレキュアは何回したの?」

もぐもぐ
「一日、2回。20時と22時に…」

先生お父さん
「20時と22時か…。内診終わりますね。着替えて診察室へどうぞ」




診察室にてPC


先生お父さん
「…何か聞きたい事ある?」






声を出そうとするだけで、

話をしようとするだけで、

もう、泣いてしまいそうでした






もぐもぐ
「今は…何も…思い浮かばない、です」

先生お父さん
「そっか…うん…」

先生お父さん
「もし生理痛より酷い痛みや、出血があったらすぐに連絡して。いつでも対応するからね」

もぐもぐ
「…」

先生お父さん
「麻酔の後だから…気をつけて、帰ってね」

もぐもぐ
「はい…」



診察室を出ると、夫が心配そうに
こちらを見つめていましたグラサン




一緒に待ち合いを出て、
エレベーターの前で打ち明けました



もぐもぐ
「卵、一つも採れなかったよ…」

グラサン
「…へ?まじで?」

もぐもぐ
「いっぱいあるのにっ…採れなかった…!」

グラサン
「……そか。…うん」

もぐもぐ
「……」

グラサン
「大丈夫だ、大丈夫、大丈夫。とりあえず帰ろう」

グラサン
「あんパン食うか?」

もぐもぐ
「……いらない」



夫が差し出したのは、売店で買った
食べかけのあんパンでしたパン

いつのまに腹ごしらえしたん…






帰宅後車
夫が焼きそばを作ってくれましたパスタ



もぐもぐ
(具がないし、何かパサパサだし…)

グラサン
「よし、食おーぜ」




具のないパサパサの焼きそばを
一口、口に入れた時

涙がドバーっと、溢れてきましたえーん



もぐもぐ
「…うぅ…おいしぃ…えーん

グラサン
「おう。大丈夫だ、大丈夫。大丈夫だから…」



夫は何度も『大丈夫だ』とつぶやき、

あんパンと焼きそばを
交互に食べていましたもぐもぐ




涙と鼻水でグズグズになりながら




夫が一緒に居てくれて良かった、と

………思いましたショボーン