一昨日、ICUから一般病室に母が移る直前、ICUの中に入れたのでモニターを見たら90だった。酸素の値だとわかったが、読み方がわからなかった。晩に、妹(看護師)からSpO2はいくつだったろLINEがきたので、90と答えた。

 

 90はいいのか悪いのかわからなかったが、妹は低いと言った。

 

 調べてみるとSpO2は酸素ヘモグロビンの割合らしい。ヘモグロビンが酸素をくっつけている割合。動脈血酸素飽和度という。健常だと100くらいだそうで、動脈血の赤血球のヘモグロビンはほとんど酸素を持ったままの状態で身体を流れているということ。供給側はしっかり酸素をつけて末端まできて、組織で二酸化炭素が多ければ酸素を離して静脈で戻る。

 

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SpO2 が 90% 未 満 は 呼 吸 不 全 の 状 態です。長期に継続すると、心臓や脳といった重要な臓器に充分な酸素が供給されず、障害を起こすことがあります。そ こ で、SpO2 を 90% 以 上 に 維 持 す る必 要 が あ り ま す。 健 康 な 方 の SpO2 の標 準 値 は 96 ~ 99% で す が、 酸 素 吸 入にて標準値を維持する必要はありません。むしろ、標準値を維持するために酸素量を増やすと、二酸化炭素が身体に貯留してしまうことがあります。

https://www.jrs.or.jp/file/pulse-oximeter_general20211004.pdf

 

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  だそうである。昨日96だったので、値はよいが酸素吸入が一昨日より増えているとも聞いた。土日は面会させてくれない。二日間の間にどうなっていくのか、わからない。なにかあれば電話が来る。

 

  こんな日に、こんなことを書いた。あとで読み返す日に、この日、こう書いたこと、そのときの気持ちがよみがえるのだろうか。僕は、近年だと、誰にでも”私はマザコンです”と公言している。

 

マザコンの定義をググった。

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マザコンとは「マザー・コンプレックス」の略で、大人になっても子どもが母親に依存したり支配されたりして自立できない状態を指しています。---

 

 とある。わかります。ですが、事実上もうだいぶ前からよぼよぼの御老人となれれた母に依存など、これはもう意味のない定義で、このあてはめがもう僕に成立しない。今となっては何も一人でできなくなった母を、傍に置いてずっと面倒を見ているという形にしかなりようがなかった。つまり僕はもうマザコンにはもどれない(もどりたくもない。十分愛され過ぎたので、母をできるだけ愛したい)。ということになったため、恥ずかしげもなく 僕はマザコンなのでと プレザンの介護士さんや入居者さんに言ってのけてみている。あまりにも、よく母に面会にきて、うらやましがられたり、するもので。

 

 しかしそんなことを言っていられた日々も終わった。僕が本当にマザコンだったのはいつごろまでだったか。30越えてもそうだったと思っている。いつしか病気がちになってきたり足がうごきにくかったりしてくる母を見て、こちらが守ってやる番になってしまっていたことを知って愕然としたのではなかったか。だから男の子はとっととマザコンのバカを10代のローティーンのころくらいには卒業して、お母さんを幸せにするということを本気で考えるのが良いと思う。本気でそう思える男の子はマザコン卒業と言える。そんなことを今となって思う。マザコンの息子は母に冷たく、マザコンを卒業した息子は母にやさしくなるというような気もする。母にそんなに優しいならやっぱりマザコンではないかと言うなら、マザコンでもいいじゃないかと開き直る。

 

  2017の盆に帰省したとき、こんな風に書いてあった。7年もたった。