私は、田舎のリンゴ園と
養蜂を営む家で育ちました。
経済的な観点から言えば、
決して余裕のある暮らし
ではなかった、と思います。
思春期の頃は、雑誌に出てくる
同世代が着ているような
流行の服や季節の行事に
合わせた華やかな物が無い
我が家を比べ、
「私たちは恵まれてはいない」
と思い込んでいました。
その勘違いに気付かされたのは、
親元を離れて一人暮らしを
始めてからのことです。
水道光熱費や
日々の食材費など
生活を維持するために
かかる費用を知り、
初めて親の苦労を
実感しました。
そして今、
スーパーで4個入りの
リンゴを手に取り
その値段を見て
ふと思いました。
実家に居た頃の私は、
それこそ「ご飯のように」
毎日浴びるほど
リンゴを食べていました。
時期には常にリンゴがあり
無くなることなど
考えもしませんでした。
また
実家は自家用の地下水
だったため
断水や水不足で
悩むことも無かったのです。
「無いもの」ばかりに
目を向けていたけれど
実は
とてつもない豊かさの中に
守られていたのだ、と
今になって
つくづく実感させられます。
若い頃、いや、つい最近までも
どうしても情報に振り回され、
手に入らないものばかりを
追いかけてしまいがちです。
もちろん
憧れや「こうなりたい」という
願望は向上心に繋がる
大切なものです。
けれども
ここに大きな落とし穴
あります。
今、既に「有るもの」や
足元の幸せに
目を向けず
不足感や欠乏感から
願いを抱くと
かえって
満たされない結果を
引き寄せてしまう
ことがあるのです。
「無いもの」を追いかける前に
今すでに「有るもの」や
自分の豊かさを
しっかりと噛み締めて
みること
それこそが
私たちが手にする
本当の豊かさなのじゃないか
と感じています。
おわりに
自分を知り、未来へ
一歩踏み出すために
「いま足元にある環境に興味をもつこと
(その1)」
「いま自分の中にすでに有る豊かさ
に気づくこと(その2)」
このふたつの気づきに共通
しているのは
「外側に答えを探すのではなく、
まずは自分自身と
自分の置かれた現状を
しっかりしる」
ということです。
私たちは、自分のことを
分かっているようで
実は意外と知りません。
自分がどんな価値観を持ち
どんな豊かさの上に
立っているのか。
それを丁寧に紐解き
ありのままの自分を
受け入れること
自己受容ができて初めて
私たちは他者を深く理解し
本当の意味でしなやかに
繋がることが
できるようになります。
「自分を知り、
自分を受け入れること」
は、決して後ろ向きな
作業ではありません。
むしろ
今より一歩進んだ
「新しい自分」を試すための
一番確かな土台となるのです。
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