こんにちは 王様です。

 

ALSの進行で、出来ることが、少なくなって行くくまりん。

それでも、王様のため、くまりんが自分で出来ることを、何かやってあげたいと思っているようだ。

今の普段の生活では、いつも王様が、くまりんの介助をしている。

お互いが相手の為に何かをやる、のではなく、一方通行の状態は、くまりんの心には、きっと負担だろう。

 

8年前、チェンマイに移住したとき、くまりんの右上肢は、既に廃用で、ほとんど使えなかった。

足も引きずるようで、長い距離を移動するのは、難しかったようだ。

でも、移住八か月前に診断されたのは、、数年で自然治癒する「神経痛性筋萎縮症」だったので、移住を決断した。

診断後、病状が進行し、ALSの診断に変わる可能性があったのに。

 

チェンマイでの新たな生活、くまりんは、利き手ではない片腕で、家事をするのは、難しかった。

身の回りのことは、くまりん自身で、必死にやっていた。

日々の家事は、王様中心。

でも、夜のゴミ出しは、自分がやると譲らなかったくまりん。

 

生ごみに、直ぐに害虫がたかる熱帯の国での生活、一日の終わりに、部屋から、コンドミニアムのゴミ置き場に持っていく。

動かせる左手に、ゴミ袋を持ち、足を引きずりながら、廊下を歩きエレベーターに乗り、夜遅く、ゴミ置き小屋まで往復していたくまりん。

くまりんは、転倒することも度々あったので、心配して、ゴミ出しをやらなくてイイ、とも言ったけど、どうしても自分の仕事だと譲らなかった。

 

でも、くまりん、君には、出来ることがある、王様を幸せにする、イイことができるんだ、と王様は思う。

花火大会が大好きな王様。

チェンマイ移住で、初めての新年を迎えた時、それを祝い、花火が上がった。

早寝をしていた王様を、くまりんが起こしてくれた。

王様は、とても嬉しくて、幸せだった。

くまりんも、それをブログに書いたよね。

 

 

ALSの確定診断後、今度は、沖縄に移住したくま家。

くまりんのALSは、更に進行した。

そして、コロナ禍となり、多くの花火大会が中止された。

でも、シークレット花火大会が、小規模ながらも、多数開催された。

いつも、突然の花火の音に気づき、くまりんが王様に教えてくれた。

くま家の部屋の前の海で、あちこちから上がった花火、東向きのベランダや南向きの出窓から、部屋の灯りを消し、くまりんと王様二人で眺めた。

 

一人では知ることができないことがある、二人なら気づくことがある。

くまりんは、王様に、色々なことを教えてくれる、異なる視線で楽しい出来事を教えてくれる。

くまりん、今は、身体を動かすことも、ままならない、声も小さく、口や舌も少ししか動かず、話しづらい。

でも、「ALSの君にも、まだ出来ることがある」、王様は、そう思っている。

 

チェンマイの大晦日、「コムローイ祭り(天燈上げ)」が、各所で行われる。

そこら中で、許可なしに、夜空に和紙製の大きなランタン(天燈)を放ち、祈り、楽しむ。

時には、大きな花火も打ちあがる。

『塔の上のラプンツェル』の世界。

 

くま家の部屋のバルコニーから見る花火。

目の前のマリーナの堤防から、打ち上げることが多い。

バルコニーの天井がちょっと邪魔かなあ。