よしだ塾
吉田ゆかりです。
「自己肯定感」という言葉をよく耳にしますが、実用日本語表現辞書にはこんな説明があります。
自己肯定感とは、自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉。
つまり、「私は私」と認められ、ちょっと大げさにいうと「私はすばらしい!」と思える感覚のことですね。
この自己肯定感が高い子どもは、何事にも興味をもち、チャレンジ精神が豊富です。ひとの話をよく聞くことができ、新しいことや難しいことにも果敢に挑むことができます。
反対に自己肯定感が低い子どもは、すぐに「どうせ出来ないし」「ぼくそれ嫌いだから」などと言い、失敗することを恐れたり隠したりし、嫌なことから逃げるようになりやすいです。
勉強だけにとどまらず、どちらのほうが生きる力が強いかは一目瞭然です。
子どものときのコンプレックスは、時間がたち大人になったからといって自然に消えるものではありません。克服しようと思うなら、それと向き合い、何かしらのアクションを起こして、消化する必要があります。それは大人になればなるほど難しくなります。
どうせならコンプレックスや苦手意識を持たずに、前向きに生きていってほしいものです。
さて、そんな子どもの自己肯定感をはかる簡単な質問をご紹介します。
「あなたは何が得意?」と聞いてみてください。
「何が好き?」ではなく、「何が得意?」です。
お子さんは何と答えたでしょうか?
実は日本人は、外国人に比べ、大人でも「得意」と言えない民族だといいます。
「ありがとう」「ごめんなさい」「こんにちは」「フジヤマ」「スシ」くらいしか日本語を話せないアメリカ人に「日本語話せる?」と聞くと、自信満々に「話せるさ!」と答えるという話は有名です。
ところが日本人はそうはいきませんね。「得意」というにはある程度まで極めていないと恥ずかしい、「そんなレベルで?」「にわか」などとバカにされるような風潮が根強いためだそうです。
仕事をするにしても資格が重視されるのもその延長だと思っています。
話を戻します。
もうおわかりの通り、「あなたは何が得意?」と聞いたとき、自己肯定感の高い子どもはすぐになにかを答えると思います。保護者様が聞いて、「え?それ得意なの?最近ちょっとハマってるだけじゃない?」というようなレベルのことでも即答できたなら素晴らしいと思います。自分の意思をもって何かに取り組んでいる証拠です。どんなに些細なことでも、ぜひ誉めておだてて、応援してあげてください。
ここでなかなか答えなかったり、「なにをしてもダメだし…」という場合は危険信号です。お子様が何が好きで、どんなことに興味を示すのか、今やっていることで頑張っていることは何なのか、伸ばすべき長所は何なのかを発見し、誉めてあげてくださいね。大好きだよと言葉にして伝えてあげてくださいね。
ドラえもんに出てくるのび太は、「何をやってもダメな子」というレッテルをあちこちではられますが、「あやとり」という「絶対に誰にも負けない」と自分で思える特技と、どんなに叱っても必ず自分の味方になってくれると信じられる「ドラえもん」がそばにいるから、優しい性格を維持できるのです。どちらかが欠けていたなら、のび太はひきこもり少年になっていてもおかしくないでしょう。
「自分に対する自信」と「信頼できる安心感」が自己肯定感を育てるのだと思います。それはどんな習い事よりも、まずご家庭で育てられると良いですね。家で持った自己肯定感はやがて外へと向いていきます。それが子どもの社会を広げ、世界となっていきます。
今日の低学年クラスで、2年生の男の子に「何が得意?」と聞いたら「走ること。(←こう答えるとわたしも思っていた。)と、サッカーと、バトミントンと、バレーボールと、虫取りと…」と次々と得意なことを答えたので、「なんでもできるやん!すごいね!」と言うと、「習ってるわけじゃないけど、いっつもお兄ちゃんとか友達とやってるからできるんよ」と言っていました。
その子は、自分がわからない問題があるとものすごく考えます。「絶対に答えを言わないで」「もう少し考えたらわかりそう」と言います。
一見おとなしい性格なのですが、しっかりとした芯があり、将来がとてもたのしみだと思いました
画像は4歳の娘の七夕の短冊です。
「I want to be a superhero」だそうです。がんばれ。笑