※我が家の次女の縁(ゆかり)は出生時に 脳に酸素が回らず、大脳基底核というところが損傷し、周産期低酸素性虚血性脳症と呼ばれる症状になっています。

筋肉の制御が十分できず、今は自力で生存に必要なミルクを飲むことができませんが、普通の生活を送れるようになるため、リハビリをしています※

 

 

我が家はお出かけが好きなので、縁をつれていろいろなところに出かけます。
駅ではエレベーターにのらなければ上下の移動ができません。
電車やバスに乗る時は、車椅子・ベビーカースペースのある車両に乗りたいです。
そこには特に健常者とのせめぎあいが発生するので、その出来事をいくつか紹介したいと思います。

 

 

・某駅エレベーターでの出来事①

 電車を降りてエレベーターに乗ろうとしたとき、前におばさんとおっさんががいました。おっさんはスマホに夢中で、後ろに車椅子の縁がいることには気づいていません。

おばさんは車椅子に気づいて、エレベーターが開くとボタンを押したまま、「どうぞ」と言ってくれました。

おっさん、どうもと会釈をしつつ、スマホをみながらエレベーターに乗ります。続いて縁とパパ、エレベーターに乗ります。

おばさんはエレベーターには乗らず去っていきました。

おっさん、自分がどうぞと言われたのではないと気付いたのでしょうけど、下りるわけにもいかず、少しばつの悪い顔をしながら、改札階に到着した時には開くボタンを押して先に下してくれました。

 

・某駅エレベーターでの出来事②

 改札から地上にエレベーターで出ようとエレベーターに並びました。前には老夫婦と大きめの荷物をもったおニーちゃん。

先にエレベーターに乗った3人は、バギーの縁が後から乗ろうとしているのを見てさっと真ん中を開けてくれたのですが、

おニーちゃんの大きな荷物がちょっと邪魔でバギーが奥まではいりません。

おニーちゃん、なんと片手で荷物を高く持ち上げてスペースを作ってくれました。数秒間腕がプルプルしちゃったことでしょうw

 

・縁とお兄ちゃんとパパで電車に乗った時の出来事

 優先席の正面にある車椅子・ベビーカースペースに乗りました。混雑はしておらず、優先席にも座ってる人もいなかったので、お兄ちゃんとパパは優先席に座ってスマホをみていました(もちろんバギーは固定して)。途中の駅で、おじいさんが一人乗ってきました。彼は赤い障がい者マークをリュックの肩紐に着けていました。

 彼は私たちを見るなり、「ここは優先席だぞ携帯を使うんじゃねぇ。俺は障がい者だぞ。」と赤い障がい者マークを水戸黄門の印籠のように見せつけながら怒鳴ってきました。あまり関わりたくもなく、席から離れてバギーのところで見ていたのですが、しつこく「電話はしまえと書いてあるだろう、日本語わからねーのか」と怒鳴ってきます。(書いてあったのは、「混雑時は電源をお切りください」という趣旨の内容で、今お兄ちゃんとパパが使っちゃいけないと解釈できる記述はありません。)うるさいんで、スマホをしまいましたが、お兄ちゃんは、ただの変人と認識したようで完全無視。

するとさらになんか怒鳴ってきます。遠くの席の人が何事かとこちらをうかがっています。

とりあえず「ペースメーカーをお使いなんですか?」と聞いてみました。別にペースメーカーを使ってたからといって、本当に心臓付近まで携帯電話を密着させるくらいでやっと影響がでるかもしれないというレベルだと読んだことはあったので、その説明をするかとも考えましたが、多分聞かないし火に油を注ぐだけだと思い、聞くだけ。
すると、一瞬戸惑ってましたが、「そうだよペースメーカー使ってんだよ。すぐ携帯やめろよ」みたいなことを言ってきました。面倒になったおにいちゃんは隣の車両へ行ってしまいました。そんなやりとりしていたら目的地に着いたのでさっさと下りました。

 障がい者マークを印籠のように使って人に言うことを聞かそうというのは他の障がい者への風当たりが強くなることにつながるのでやめてほしい。結局彼がどういう障がい者なのかわかりませんが(ペースメーカーじゃないと思う)、どう接するべきなのかは難しいし、こういうところで、障がい者同士でも助け合えないということになったりするのは悲しい。