おいしい文学賞 | 美味しいお酒を呑むために

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以前、「日本おいしい小説大賞」があるってことを紹介しましたが、
「おいしい文学賞」という賞もできたんですよ。
それだけ、美味しい小説が流行ってるってことだと思います。
そして、今回読んだのが、第1回「おいしい文学賞」受賞作品です。
 
2021-9冊目
母さんは料理がへたすぎる    著: 白石睦月
僕の名前は山田龍一朗。
今春、なんとか志望校に入学できた十五歳。
山田家の父親は三年前に事故で他界。会社勤めの母親と、幼稚園に通う三つ子の妹たちの面倒をみるのが龍一朗の役目。
もともと料理は好きだけど……。それぞれつまづいたり、悩んだり、助けられたりしながら日々を刻んでいく山田家と龍一朗を、こまやかで確かな筆致で描いた青春と成長の物語。
未来が明るくておいしい。生きる力がわいてくる!
 
 本書は「母さんは料理がへたすぎる」「ないないづくしの女王さま」「待ちぼうけの幸せ」「プレゼント」「ウソつきたちの恋」「春が生まれる」「母さんの料理がへたすぎて」の7話構成。
龍一朗、三つ子の妹たち、父、母の視点から順に語られる。リアルな内面描写が人物像をくっきりと浮かび上がらせ、彼らがすぐ目の前にいるかのように感じられる。
 
7歳の三つ子たちが、すごく大人びていて、女子高生くらいに感じることに違和感はあったけど、あとは、良い家族でほっこり。
 
 
 
 
2021-10冊目
ツキマトウ    著: 真梨 幸子
前回に続き、また、真梨さんを読む。
加害者と被害者は紙一重。 あなたは絶対踏みとどまれると断言できるか―?
警視庁生活安全総務課ストーカー対策室、通称ストーカー対策室ゼロ係。
ここには、つきまといで困っている、という人々からの相談が持ち込まれます。
日々持ち込まれる事件をプロファイリングしているのは、未決囚として拘置所にいる和製レクタ-博士。
そこには、いつもナオコという得体のしれない女の影がちらついて――!?

自己顕示欲の塊となって、ブログに日々よしなしごとを綴るダメンズ女。
離婚したパートナーの再婚相手の動向チェックに余念がない元妻。
誹謗中傷された恨みを募らせていく反社会性パーソナリティ障害の同僚。
妄想を暴走させてSNSを炎上させるアイドルオタク、などなど
ふとした日常の違和感、感情の掛け違いから、ひとつの妄執に取り憑かれていく男女たち。
詐欺、ストーカー、リベンジポルノ、盗撮、盗聴。「愛」という名のもとにおこなわれる暴力的支配を、
イヤミスの女王、真梨幸子がこれでもかというまで徹底的にあぶり出す、イヤ汁度200%増しの暗黒小説!
 
ストーカーの被害者だったと思ったら実は、加害者だったり...相変わらずバタバタと死んでいきました。
面白いのだけど、人間関係が複雑なので、もう大変。相関図が欲しかった…!
次回、登場人物が多い作品は、自分で相関図を書いて読もう!爆  笑
この作品も期待通り、後味が悪くて・・・・さすが、イヤミスの女王です
 
中に、原田真二の「キャンディ」が出てくるの。
「キャンデイ」の歌詞はラブソングではなく、実はストーカーから目線の歌詞ではないか?って解釈。
すでに、キャンディは殺されていると・・・・

原田真二は、私が中学2年生の時デビューして、3か月連続でシングルを発表したんだよね。

1曲目は「てぃーんずぶるーす」、2曲目が「キャンディ」、3曲目は・・・・忘れちゃったなぁ。
そして私は、原田真二のファーストLPを買ったのでした爆  笑
懐かしい。
 
 
 
 
021-11冊目
私の家では何も起こらない     著:恩田 陸
恩田陸の正統派幽霊屋敷物語。エレガントで怖い、静謐な物語。怪談雑誌『幽』に連載していた連作短編集。待望の文庫化。
アップルパイが焼けるキッチンで殺しあった姉妹。
近所からから攫ってきた子を解体して主人に食べさせていた料理女。
床下の動かない少女の傍らで自殺した殺人鬼の美少年。
壁に埋め込まれた死体と思しき物体。
幽霊屋敷に魅了された人々の記憶が奏でる不穏な物語。今、静かに語られる。
そして驚愕のラスト!
 
 
イギリスの丘の上に立つ古い洋風の一軒家。 その幽霊屋敷を舞台にした連作短編集。
穏やかな語り口で優しい物語を読んでると思ってたら、知らないうちにとんでもないホラーだった。
おぞましい恐ろしい話が続くけど、最後の大工さんの話で救われる・・・・「一番怖いのは幽霊より生きてる人間」ってね。