すっかりアップっするのが遅くなりましたが、心待ちにしていたピナ・バウシュの「カーネーション」を観ました。

 

 

 

 

ピナバウシュウッバタール舞踊団「カーネーション」の日本初演は1989年。世界初演は1982年。

ピナの作品はどれも多くの人に衝撃を与え、伝説として語り継がれている。この作品は代表作の一つだが、私は当時この作品を観そびれていたので初めて観たワケだが、いま観ても決して色あせることのない素晴らしい作品だった。初演を観たらさぞやショッキングな舞台だっただろうと思う。

 

カーネーションを舞台いっぱいに敷き詰めた写真はよく見ていたのでイメージはできていたものの、ナマで見るとそれだけで圧倒されてしまった。ピナは本当に空間の扱い方が大胆で美しい!

 

ピナの作品は「愛」がテーマになっていることが多いが、ピナ自身がダンサーを大切にし愛しているからこそ、振り付けを押しつけるのではなくダンサーから引き出していけるんだろう。

 

ピナの作品には時々あるが、今回もセリフが多くしかも日本語でのセルフがとても多かった。ダンサー達はたいへんだっただろうと思うがやはり親近感が沸く。ピナはそんなお茶目なサービス精神も旺盛で、緻密な演出で我々を魅了する。

 

ピナ自身が踊った最後の舞台を思い出しながら、あらためてピナの存在の大きさを思った。20世紀のダンスシーンのみならず様々なジャンルの方達へも影響を与えたピナバウシュの作品を、いつまでも再演し続けてほしいと願っている。

普遍的なピナの問いかけは、どんな時代でも観客の心に刺さってくるのだから。