多香子ちゃんを覚えておいででしょうか。

家にロータリーがあって住み込みの家政婦さんがいる生粋のお嬢です。
小学校低学年まで、多香子ちゃんの家に比べれば圧倒的に小さい普通の一戸建てが並ぶ住宅街を映画やドラマのセットだと思っていて住人は全員エキストラ、エキストラの仕事が終わればみんな広い家に帰るんだと思い込んでいたあの多香子嬢です。


多香子ちゃん初登場記事はこちら

多香子&ザイルの恋物語はこちら


夏はホストクラブにハマった多香子ちゃんでしたが、
「ザイルさんに似てる人を探してただけだったのかもしれない」
との迷言を残し2週間弱でネオン街を卒業、その後は出会いを求め職場繋がりの合コンやらなんやらに参加、テレビ局員・外銀マン・商社マンには目もくれず口は上手いが行動が伴わない三流芸人と逢瀬を重ねるなどして積極的に彷徨っていました。


ビジネス街、中年だが恰幅の良いリーマン客に混じって昼から寿司に舌鼓を打つ30代女がふたり。話題はもちろんお互いの恋愛事情に。

私「外交官とはどうなったの?」

多香子ちゃんがデートする男性の中では一番まともと思われる男性でした。

多香子「あぁ~・・・」

ダメか。

多香子「いい人なんだけど・・・ザイルさんに比べたらつまらない人だよ」(寂しげ


スタンフォード出のキャリア官僚<<<<<しがないバーオーナー・エロザイルしがない言うな


いかにも気が触れてるとしか思えませんが一生懸命失恋から立ち直ろうとしている多香子ちゃんが私は大好きです。
そんな多香子ちゃんだからでしょう、「ユカちゃんはどう?彼とうまくいってる?」と聞かれれば、アタシ幸せオーラを出さなければ!!!めいた変な気負いもなく前記事で書いた悩みがスルスル話せました。

私「そんなわけで、好き温度下げるために婚活パーティーに行こうと思ってるんだけど罪悪感が半端ないのと、若葉くんとの関係を大事にしたいと思ってるのに万が一他に良い人がいちゃったら壊れそうで怖くて、どうしても申し込みボタンが押せない」

メンタルの安定のために彼氏がいても出会いの場に行く。
婚活では仮交際という名の複数人同時並行が当たり前であり、彼氏ができたとしても相談所で知り合って本交際してマース♡という結婚フラグ鬼アツな状況でない限りはドラマ・やまとなでしこよろしく他の男性とデートするくらい個人的には全然アリだと思ってます。(桜子さんはメンタルの安定のためではなくもっと上がいれば乗り換えるためでしたが)

しかし今の私に限っては〝彼氏がいても出会いの場に行く〟という選択肢、罪悪感もさる事ながら何か違う気がしていました。
もちろんそうする事で余裕ができて彼氏との関係が良くなる場合もある。
でも、問題から目をそらしているだけで向き合ってないんじゃないか、それでうまくいったとして果たして私は嬉しいんだろうか、そして不安になるたびに出会いの場へ行き続けるんだろうか、いつか綻びが生じるのではないか、そう感じていました。

多香子「そっかぁ」

私をじっと見つめながら意識は別のものを見ているような顔の多香子ちゃん。
私が男だったらドキドキしちゃうんだろうなぁ。

私「パーティーに行っても何ひとつ得られないに決まってる。」←断言

多香子「よし!行こう!!パーティー!」

私「えっ!?」

話聞いてました???

多香子「私も行くし♫婚活パーティーって一度行ってみたかったんだよね~」

寿司を平らげてからあれよあれよという間にその日の夜のパーティーを申し込み。
多香子ちゃんが一緒に行ってくれるならなんか楽しそうだしいっか!←



参加したパーティーは以下でした。

・男女ともに30代限定
・男性は大卒かつ年収500万以上
・個室タイプではなく会場タイプ、男性が回転
・参加人数男女ともに18人←多っ!
・まずは全員と話してからフリータイム4回


会場に着くと多香子ちゃんとは少し離れた席に通されました。
慣れた手つきでプロフィールを記入して待機。
1人くらいは遅刻するだろうと思っていたらこの日は全員時間内に揃い、開始時刻ピッタリにKKP(婚活パーティー)の乱の火蓋が切られました。

スタッフ「では早速、目の前の方とプロフィールを交換してくださーい!」

チャンララララン♫←テイラースウィフトの音響演出


私「初めまして(^ ^)ユカです☆」←ノリがこなれ過ぎてもはや夜のお姉さん

男「はっ、はっ、はじっ、はじめてっ!!!」


落ち着け。



ハイ次の方〜

私「初めまs以下略」

男「どうも〜」

ん?なんかお年を召してない??
えっとプロフィールプロフィール。


43歳。パーティーは30代限定と銘打ってありましたが



ハイ次ー。

私「こんばんはー☆」

男「初めまして^ ^」

あら笑顔が素敵♫
なになに、趣味→温泉、休日の過ごし方→温泉巡り、保有資格→温泉ソムリエ


この温泉野郎♫



次。

男「いやー、仕事マジ疲れた。聞いてよ?フランス人がさぁ〜酷いわけ」

私「うんうん^ ^」

アンチフレンチマン、と。



次。

男「俺、山田孝之に似てるって言われるんだけどぉ〜、あっ、自称じゃなくてね?自慢じゃなくて、人から言われるってだけ!」

山田孝之っていうかジャンポケの斉藤さんて感じ♫



お次。

男「相席屋で知り合った子にその日のうちにキスして♡って言われて俺、落ちた!いや!違うんだよ!運命なの!帰ろうとしたら電車が止まってて云々…」

私「その彼女とは今?(笑)」

「1ヶ月でフラれちゃったんだよね〜(笑)」

1ヶ月限定運命男、と。



お次〜。

ん?プロフィールを確認するまでもなく明らか君は…

「実は47歳なんですよね(照)でも若く見られます^ ^」


地獄で会おうぜベイビー。



キャラが濃い方はこんな感じでした。

くフリータイム。

スタッフ「それでは男性のお客様、席をお立ちになってお話したいなぁという女性のお席へご移d…」


案内もそこそこに我先にと多香子へ一直線の男たち。多香子の独壇場、多香子onステージ。



多分10人以上が多香子の元へと小走りに向かったと思うんですけど、フリータイムは4回なので最初から多香子ちゃんの目の前に座れたラッキーボーイを除くと3人までしか並べず、多香子争奪戦に敗れた男たちは苦笑いを浮かべてすごすごと元いた席に戻るか所在無げに佇むか飲み物を取りにいくなどして気まずさをやり過ごすのでした。


そんな中私の目の前にはアンチフレンチマンが着席。

「あのフランス人共、絶対俺の悪口言ってる!!!」

ノーン、ジャポネ、落ち着いて(´д` ;)


2人目。
多香子争奪戦に敗れた歯科医。
無難に会話して終了。


3人目。
Google勤めを鼻にかけたエンジニア。
会話よりも私のプロフィールを食い入るように読んでいて査定されてる感満載。


4人目。

「ごめんね!フランス人の話はもうおわり!中国人の話していい?」


また来たんかい!!愚痴がグローバルだなオイ



計4回のフリータイムが終わり、カップル希望カードの記入へ。

事前の打ち合わせ通りLINEで多香子ちゃんにご希望の男性を確認。
多香子ちゃんと被らない男性の番号を書く予定でしたが特にカップリングしたい男性もおらず。
しかし無記入で提出するとスタッフさんから『うーわ出た白紙!高飛車かよ
、顔見てやろう』とか思われそうなのが嫌でなんだかんだ一番気楽だったアンチフレンチマンの番号を記入しました。
男性というものは慣れるまでは、良いなと思う女性の前で愚痴を言ったりしないはずなのでまぁまずカップリングしないだろうという計算もありました。

カップル希望カードを提出し待つこと5分。
結果は全員の前で発表ではなく個人に知らされる形でした。
多香子ちゃんはめでたく第1希望の男性とカップリング。対する私、

アンチフレンチマンとカップリング。もう今夜は愚痴聞きナイトね?こうなったらとことん聞いてやるわ?


ちなみにKKP18総選挙第1位に君臨した多香子嬢を射止めたのは温泉ソムリエでした。





つづく