月と散文
又吉直樹
あらすじ
散文(さんぶん)とは、小説や評論のように、5・7・5などの韻律や句法にとらわれずに書かれた文章のことである。(by Wikipedia)
コロナ禍の生活や、空想と現実の入り混ざった世界が又吉さんの言葉で表現されていて、ほんとに趣深いエッセイ集です!
面白いなんて、私が言って良いのだろうか、と迷ってしまいます
なので、「趣深い」なら、又吉さんも許してくれるかな?
グッときたポイント
「だるまさんが転んだ」の章は
ただの大喜利ですね!
でも、その大喜利のセンス
全てにおいての言葉選びが、ほおぉぉ〜って溜息が出ます。
だるまさん(達磨大師)、という
本来は転ばない(転んでもすぐ起きる)はずの人が転んだ、という意外性、から
奈良県では、「大仏が足くずしている」
フランスでは、「ナポレオンが徒歩で来た」
親世代なら、「坂本九が俯いた」
昔話なら、「浦島が亀避けた」
など、他にも大喜利の数々………
それから、胸にグッと来たのは
31歳の又吉さんが
18歳だった自分に書いていたメールです
途中を抜粋…
幾度となく面白くないと言われるが気にするな。
悲観しても良いから止まるな。
信じられないくらい人に裏切られる。
自分が人を傷付けることもある。
だが時間がもったいないから人を恨むな。
人を羨むな。
おまえはそんなもんだ。
期待も絶望もするな。
最高と思える夜も必ずある。
こんな優しい人を裏切らないであげて、
と思ってしまいます…
でも、「恨むな」と言える又吉さんだから、
この人にはかなわないなぁ、と思います
こんな人におすすめ
お笑いの好きな人
又吉さんの好きな人
国語が好きな人
面白い文章と出会いたい人
ぜひ、読んでください