『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』を見ました。

昨年、公開された時に見に行こうか悩んだんですが、
同時期に見たい映画が複数あったのと、もともとTVシリーズだったということで、
映像的に期待できなかったのでDVDを待つ事にしました。

そういう意味ではDVDで充分でしたね。
ストーリーとしては充分映画として成立するとは思いますが、
CGのクオリティがやはり映画のレベルには達していないように思います。

キャラクターの表現は、まぁ、ああいうフィギアっぽいものもアリだと思いますが、
背景のクオリティが、とても残念なレベル。

キャラクターのデザインに合わしたのかもしれませんが、
作り込まずにテクスチャーで処理しているものが多い。

しかもそれが手書き風なもので、妙に生っぽい人形劇を見ているみたい。

リアルな人間でなくても目を見張るようなCG映画は作れることを
ピクサーは証明してみせているし、ドリームワークスだってかなり頑張っている。

ILMは本来、このような仕事をするために作られた会社ではなかったのか?

どうやらこの映画ではILMは関わっていないようで、
シンガポールのルーカスフィルムとインドのCGプロダクションが
作っているとの噂。

やはり映画というより、テレビ用として考えられているんでしょうね。


逆にストーリーは非常に短い期間のエピソードなので、
非常に長い期間を描く本編に入れるのは難しいかもしれないですが、
ラジー賞で最低脚本賞を取ったEP2の無意味に冗長なパドメとアナキンの話や、
クローン軍とドロイド軍の問題など、なんにも整理されていない話より、
よほどスッキリとして楽しめました。

ただ、前提となっている戦争の状態がEP2がああだったもので、
良くわからないので、イマイチ話に乗れないんですよねぇ。

あとパダワンのアソーカ。
あのキャラはとても魅力的だし、この映画ではとてもいいんだけど、
EP3には出てこないし、やはり話がつながらないんだよねぇ。

『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』
単独の話としては面白いんだけど、本編と切り離して見ないとね。
『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』
1作、2作目と違って、舞台は中国。
だったらハムナプトラじゃないじゃん。

しかもエヴリンがレイチェル・ワイズからマリア・ベロにバトンタッチ。
リック役のブレンダン・フレイザーが、それほど老けてない(まぁ7年だし、
老けメイクしてないし)から、余計に違和感がある。

しかも、大学生の息子はないでしょう。どう見たって兄弟にしか見えないし。。。

なんか、もう、ハムナプトラの基本設定の
「歴史ロマンを背景に魔術で生き返ったミイラをヒーローと闘わせる」
だけを拝借して、中国で撮りたかっただけって感じです。

ヒロインもマリア・ベロでは無理があるし、
ジェット・リーとアクションで絡める女優さんということで、
ミシェル・ヨーを引っ張ってくるんですけど、
これまたグリーンディステニィーのころから比べると、一気に老け込んで・・・。

じゃぁ、しょうがないってんで、モデルで歌手のイザベラ・リョンを
連れて来たって感じで、まぁ、これは可愛くて成功かな。

ただ、やっぱりストーリー的には、
登場人物が散漫になってしまった感はいなめない。

レイチェル・ワイズさえ出演していたら、舞台を中国に移しても、
イザベラ・リョンもリーアム・カニンガム(息子のマグワイア)も
必要なくって、もっとスッキリした話になっていたと思うしね。

また、大昔の史実が少々間違っていてもご愛嬌だろうけど、
兵馬俑の発見みたいな最近の事実(1974年、しかも発見したのは中国人)を
大きく歪曲するのはどうだろう(1947年にイギリス人のマグワイアが発見って、
ちょっと反感を買うと思うな)。

じゃぁ、つまんない映画かというと、さにあらず。
ジェット・リーの活躍こそ少なめだけど、
兵馬俑の土偶兵士たちをミイラにみたてて、
人柱にされた犠牲者側の骸骨とをバトルさせるアイデアはいいし、
なによりその映像は圧巻です。

イエティも始皇帝が化けるキングギドラもなかなかチャーミングだし、
マシンガンでこれでもかって、バタバタと敵をなぎ倒すのも、
相手がミイラだから、嫌悪感なく壮快に見る事ができます。
(ゾンビでも血がでるけど、ミイラは崩れるだけだからね)

映画のテンポもいいし、適度にギャグも織り交ぜられて、
1、2作目の緊迫感こそ皆無ですが、そこそこ楽しめます。
見終わった後に何も残らず、まぁ「楽しかったね~♪」
で終わってしまうようなカンジです。(笑)

ですから『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』は、
この手のハリウッド系冒険活劇が好きな方には、選んで間違いの無い一本。
ただし、1、2作目が好きだった人にはお勧めはできません。

最後まで読んでくださったあなたに、全ての良き事が雪崩のごとく起きます。


『スターシップ・トゥルーパーズ3』

冒頭からかましてくれます。いきなり「今日は死に日和」熱唱ですから。
しかもそれが地球軍の総司令官。笑わしてくれます。

この映画では多くの戦争映画に見られる”自分が戦う理由”について
葛藤する人間など一人もいません。

まるで、思考停止こそが戦争を引き起こすんだと言っているようです。

今までと違って軍に反感を持つ人たちも登場しますが、
それはほんの刺身のツマ。ほとんどノイズみたいなもので、
彼らにスポットが当たることはありません。

あんな扱いだったら登場させないで、戦闘シーンの残虐さを
ただ客観的に流した方が、観客に考えさせることができただろう。

そうなんです。兵士を使い捨てにしているような地上戦。
無惨に死んでゆく兵士達。その描写もかなり残酷です。

でも、妙に中だるみして、緊迫感がないんですよねぇ。
しかもあまりにも特撮の水準が低くて、残念きわまりないです。

あと、軍隊への風刺はもとより、終盤、今回は宗教についても皮肉っています。
(自分の信じる神以外は悪だと断定するとことか。)
これは完全にネオコンというか、キリスト教原理主義批判です。

ラストがリコではなく将軍なのは、オバマ次期大統領への期待なのかなぁ。

『スターシップ・トゥルーパーズ3』は、
1作目を目指したけど、道半ばで崩れ落ちたC級映画ですね。