知人のベテラン治療家の方が、腰から赤いヒモをぶら下げていました。気になり尋ねてみると、ヒモトレというもので、ヒモを巻くだけで体が整うのだと教えてくれました。怪しさ満点です。
ネットでいろいろ調べてみると、古武術研究家の甲野善紀先生も勧めているではありませんか。私は若い頃、甲野先生の稽古会に参加させて頂き、夜は御一緒に飲む機会などもあり、とても気さくな素敵な先生だった記憶があります。あの研究熱心な甲野先生が勧めるからには、ホンモノに間違いなさそうです。さっそくヒモとストッパーを１００均に買いに行って、自作ヒモトレ小道具（ヒモを切って、ストッパーを付けるだけ）を試作しました。どうでもいい話ですが、とくに工夫した点は、切ったヒモの先端にライターで火をつけて、溶かして毛羽立たないように処理しました。（山登りしていた頃の知恵）
今のところ、すごく大きな変化は感じませんが、なんとなく体が整うような気がします。たまたまかも知れませんが、ヒモをお腹に巻いて寝ると、ウンチが良い状態だったり、朝起きたとき腰の痛みを感じなかったりします。日中はたすき掛けもしており、姿勢がよくなり、集中力もアップし、心も落ち着いて仕事ができているような気がします。
ヒモトレは４～８ミリの伸縮性のあるヒモを使用する、とてもシンプルなものです。大きく分けて２つのやり方があります。ひとつは≪ヒモエクササイズ≫で、ヒモを巻いてヒモが緩み過ぎないように軽くテンションがかかった状態を維持して運動をします。例えば両手首にヒモを引っかけて、背伸びしたり、側屈します。（下記表紙参照）
もうひとつが≪ヒモ巻き≫で、ゆる～くヒモを巻くだけなので、究極的なものぐさ健康法といえそうです。お腹周りに巻くだけ、たすき掛けするだけ、など最初にゆる～くヒモを巻くだけであとは何もしなくてOK。そのまま日常生活を送ります。仕事をしたり、運動したり、眠ったり常住坐臥そのまま巻きっぱなしでいけます。≪ものぐさ健康法≫研究家の私にとって、これにはかなり興味惹かれました。
ヒモトレ最大の謎は、なぜヒモを巻くだけで体が整うのか？という疑問です。体にまとまりが出て、全身が連動し身体性がアップするメカニズムが不明とういことです。ヒモを介してバラバラだった体につながりが出来ることで、全体のバランスが自然と取れるようになり、無意識な偏りが是正されるから？などと無理やり仮説を考えますが、現状ヒモトレがなぜ効果があるのかの明確な説明は、なされていないように思われます。
理屈は分かりませんが、特に大きな労力を払うわけでも、危険性も一切ないので、いろいろ野次馬してヒモトレで遊んでみたいと思います。局所の痛みへ治療的に使用したり、太極拳上達の為に練習に使ったり、ヒモエクササイズを使って気功法や操体法ができないかなど、シンプルだからこそ幅広く自分なりに工夫して楽しめそうです。