きたぁ〜っ！
離れて暮らすひとり息子が帰ってきた
旦那さんがひとり帰省だったから
ものすごぉく久しぶりに２人での夕食
「太ったんじゃない？」
『そおなんだよ
“きをつけ”の姿勢をとっても…ほら』
腕が体の横にくっつかない
世間一般的に見れば
太ってもなく痩せてもなくだと思うけど
胸板というか肋骨が横に広いというか…
体操選手のような体型
『体型はパパちゃんによく似てるよ』
息子が社会人となった3年前…
離婚した23年前から
一度も父親＝パパちゃんに会っていない息子に
初めて父親についてしっかり話をした
…きっかけは父親が唯一息子とつながっていた
貯金通帳…この話はまた後日…
旦那さんが父ちゃんになってくれる前から
息子からパパちゃんのことを
聞かれなかったこともあって
話すきっかけがなかったんだけど…
あの時以来母と息子の2人で話すときに限り
たまぁに話題に出ることも…
…旦那さんが寂しくなるようなことはしたくないと思う
あたしたちのいらないかもしれない気遣いです…
息子の超がつくほど
マイペースな自由人っぷりや
自分のやりたいこと
楽しいことファーストのところも
パパちゃんとよく似ている
結婚後も
自由っぷりは全く変わらなかったパパちゃん
実家の両親や親しい友人から
遠く離れた知らない土地で
ワンオペ育児のあたし
あたしもあたしで不満や要望を
パパちゃんに小出しにすることができずに
大爆発させてしまったのが
離婚のいきさつだって話も
3年前のあの時に息子にも説明済み
『オレさ彼女との同棲
解消することにした
』
「え～っ！なんでなんで？
ついに愛想をつかされちゃった？
」
『ちがうわっ！』
もともと彼女も一人暮らしをしてた事もあって
お互い家賃の節約も考えて
きちんとルームシェアしようってことで
彼女のご両親にもご挨拶に伺った際
お互いに結婚については
時期的にもまだまだ先の話だから
前提とは言えないけれど
一緒に生活して分かることもあると思うのでと
とりあえず2年を目途にと
彼女のご両親にお話したんだそうな
「…いよいよ彼女も疲れちゃったか…」
『違うって
そろそろ彼女パパとの約束の
2年になることもだけど…
それに、ほら
自由人と結婚して失敗しちゃった人の話とか
…あたしだ…
全部彼女に話をして
パパちゃんの自由人の血を受け継いでいる
オレと
一緒に暮らしてきての不満とか我慢とかは
ないってのはちゃんと確認したのよ』
『学生時代からほぼほぼ一緒に住んで5年
…学生時代から住んでたの？…ま、いっか
彼女も自由人だからお互い束縛もなく
好きにやってきたけど
それでも誰にも、全くの気兼ねもなく
自分の思うがまま100%自由に
ほんとの自由人生活をしたことがないワケ』
「えーっ…
これ以上の自由人生活って…
母は恐怖でしかないよ
」
『気持ち、気持ちの話よ
で、このままじゃ
絶対後悔すると思うし
そろそろ結婚でも…って
気にはならないと思うんだよね』
「彼女はなんと？」
『そういう期間があればいいって話？
って聞かれたから
そうって言ったよ
そしたら“いつまでも待ってると思うなよ”
って了解してくれた』
…彼女の器の大きさ…おっとこ前で惚れ惚れする
『…ってことだから
来月あたりから完全1人暮らし
進行中の就活もいよいよ真剣よ』
その後もお互いの近況報告をおもしろおかしく
日付けが変わって
旦那さんが帰ってきてからは3人で
眠くなるまで大盛り上がりのおしゃべり…
帰ってきて早々
爆弾話を炸裂させてくれた息子くん
息子くんも立派じゃないけど
もうとっくに大人
彼女ときちんと向き合って
彼女も納得してくれてるのであれば
勢いや流されて結婚を決めるより
息子なりの
筋は通っているのではなかろうかと
彼女ちゃんが許してくれているうちに
自由人として燃え尽きて
普通の人になってほしいと思う
息子が帰ってきた日の夜
