そうきましたか…
…
そもそも鋭い若き係長
あたしの眠さ加減とか
ちょっと厄介な相談事をしようとしたときとか
妖怪アンテナ持ってる
…あたしは妖怪かっ…
ってくらい敏感に
あたしの妖怪具合…違うっ
あたしの困り事波動を察知する
…若き係長的には自分に降りかかる危険を
察知してるだけだけど…
「 せ・ん・せ・っ 」
『ぶう子さんの“せんせっ“は怖いんですよ』
(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
良く分かっていらっしゃる…
あたしが“せんせっ”と係長を呼ぶときは
ちょっと厄介な質問か
ちょっと短納期の出荷を
間に合わせてほしいとかの
お願いごと
係長の隣の席の若き男子も加わって
『ボクらがぶう子さんにお願いするときは
なんて呼ぼうかなぁ…🤔
やっぱ先生?』
「やだやだ!やめてよ」
『んじゃ…お母さん?』
「あのさぁ
20代の一番若手ならやむなしだけど
30半ばの係長からお母さんはないわぁ
…ないないっ」
『んじゃ…大先輩?』
「ぶっ殺す」
…歳はあたしの方がだいぶ上だけど
社歴は2年ちょいしか変わんないじゃん
先輩になんで大つけるのよ…
そもそも
あたしがお願いすることはしょっちゅうだけど
あたしがお願いされることはあんまりない
後から思えば
そんな会話もあったなぁなんて思い出すほど
時間が過ぎた昨日のこと
…
『 ね・え・さん 』
ん⁈
呼ばれ慣れない呼ばれ方
しかも珍しくそぉっと近寄ってくる若き係長
あたしがお願いするときに係長に近寄るときと
…おんなじっ
『お願いがあるんですけど…』
「なるほど
で、姉さんね」
謹んでお引き受けいたします
…なんつって
45歳で転職した今の職場
人間関係で苦戦したことのなかったあたしが
初めて人がらみでやなとこだなぁって
思っちゃった職場
しんどかったり落ち込みそうな日々を
相棒と支え合って
なんとか楽しくすり替えて過ごしてきたけど
相棒も辞めてからはひとり
無になって
ただただ給料をもらうためだけの場
なのだからと
割り切って働いてきた
…
でも
気づけば若者たちのお陰で
相棒がいない職場で
楽しいとまでは言えずとも
どうにかこうにか笑えてる気がする
ありがとう
若き“せんせい”達って
こっそり思う平日の職場にて