とうとう来てしまった…
相棒との会社での最後の日
いつもどおりに時間が流れる…
お世話になった人たちに
あいさつまわりをする
相棒の姿を見かけること以外は…
相棒と会えなくなるのはさみしいけど
相棒が新たな場所でがんばるんだと思えば
不思議とあたしも前向きな気持ち
不思議と意外にあたしもプラスの気持ち
だから…大丈夫
いつもどおりの駐車場までの帰り道
いつものようにおしゃべりしながら
いつもの分かれ道で立ち止まる
相棒よ７年近く
いつも支えてくれて
いっぱい笑ってくれて
一緒に怒ってくれて
いっぱい背中を押してくれて
なにより…
楽しい毎日を本当にありがとう
…って
思ってることを言葉にしようとしたら
言葉と一緒にいろんな気持ちが
一気にぶわぁっと込み上げて
涙が出てきた
大丈夫だと思ってたのに
最後まで笑って送り出せると思ってたのに
「元気で
とにかく元気で
無理しないように
頑張ろうね」
泣きながら震える声で
精一杯の笑顔で
やっとの思いで
最低限の言葉だけ絞り出した
『ぶうこさんの
様子伺いの定期連絡入れますから
ちゃんと返事下さいね』
やっぱり泣き笑いの相棒
「じゃあまたね」
『じゃあまた』
泣き笑いで
いつもどおり大きく手を振って
それぞれの車に向かって背中合わせに歩き出す
雪に変わりそうな雨がぽつぽつ
止まらない涙をカムフラージュできて良かった
日が落ちて暗くなってて
泣き顔を人に見られなくて良かった
相棒のこれからが
充実と幸せに満ちたものになりますように
祈りながら帰る最後の日の帰り道
