私の一番幼い記憶は2歳くらいの時に、母と手を繋いで兄の通っていた幼稚園に兄を迎えに行く風景です。
私は母の胸下くらいの身長で、どこかのフェンスを左手で触りながら、右手は母に手を引かれて歩いている……。
正直その頃の鮮明な記憶はありません。
ぼんやりコンクリートの道と母の顔を交互に見ながら手を繋いで歩いていました。
そこから、一気に記憶が飛んで、次からはかなり鮮明に記憶があります。
たしか、私は3歳になったばかりだと思います。
兄は既に幼稚園に通っていましたが、私はまだ幼稚園に行く前だったので、祖父と家で留守番をしていました。
一人、庭で朝顔の花で色水を作っている時、離人症の症状が現れました。
その時の私は「あー。また、これ、なんだろう。ぼんやりして、ふわーっとして、夢の中にいるみたいになる。」と考えていました。
これが、私が鮮明に覚えている離人症の症状が出ていた一番古い記憶です。
ただ、この時既に1日の中で何度も離人症状が出ていたのは確かです。
普通に話したり、手足も動いているのに、突然、ふとした瞬間に、自分の意思と反して、いきなり夢の中に引きずり込まれるような、自分の意識を別の人間が乗っ取ってしまったような感覚に襲われていました。
離人症の症状は人それぞれで、ずーっと離人状態が続いている人もいれば、日に何度か数分程度の離人症状が起こる人、数日間続く人、など症状は様々です。
私の場合、一番酷かったのはこの3歳前から小学校低学年まででしょうか……。
一日に2〜3回の日もありましたが、大体1時間に1回くらいは離人症状が起きていて、時間は3〜10分程度です。
ぼんやり症状が出て、ゆっくり元に戻っていきます。
成長するにしたがって、徐々に回数は減っていきましたが、高校を卒業するまでは毎日数回は離人症状がありました。
大学生になると週に1度くらい。社会人になって数日に1回程度、今は30代半ばですが年に1回くらいになりました。
最近は、ほとんど離人症状は出ていません。
離人症は成長と共に緩和されていくそうです。