昨日、星野源の『うちで踊ろう』に参加した動画を公開したことにより、非難が殺到している安倍総理だが、あの動画の裏側にはこんなエピソードがあったのかもしれない。
「総理!総理!」
「なんだね、騒がしいな」
「総理は星野源さんという方をご存知ですか?」
「もちろん知っているよ」
「今、星野源さんが始めた『うちで踊ろう』というプロジェクトが国民の間で流行っていることもご存知ですか?」
「君は私を馬鹿にしているのかね?もちろん知っているよ」
「アレを総理もやってみてはいかがでしょうか?」
「私が?うちで踊る?」
「は、はい!」
「君、名案だねぇ!!!」
「ありがとうございます!!」
「実は恥ずかしながら私も、兼ねてから星野くんのダンスは練習をしていたんだよ」
「そうなんですか!?」
「おう」
「総理、素晴らしいです!ちなみにそれはどういったダンスなのでしょうか?」
「特別に君にだけ披露しようか」
「是非、お願いします!」
そう言って、安倍総理は"恋ダンス"を踊り出してしまった。
「総理!総理!違います!」
「なんだね君は!私は『夫婦を超えてゆけ〜♪』の振り付けが一番気に入っているのに、なぜ最後まで踊らせてくれないのだ!」
「すみません!しかし、今国民の間で流行っているのは恋ダンスではないのです!」
「違うのかい!?」
「はい!こちらをご覧ください」
付き人は総理に『うちで踊ろう』に参加している国民たちの動画を見せた。
「なるほどなるほど。つまり、私にはこれからハモる練習が必要だな」
「いえ、総理ぐらいのお方になれば、踊る必要もハモる必要もございません。そもそも、星野さんは『うちで踊ろう』というタイトルに、実際に体を動かして家で踊ろうという意味だけではなく、心のうちで踊ろう!心を弾ませよう!という意味も込めているらしいのです!」
「なるほどなるほど。星野くんとはやはり素晴らしい国民だな」
「その通りでございます!総理!」
「でも、本当に踊らなくていいのかね?」
「大丈夫です!」
「そうか、とりあえず検討しよう」
「かしこまりました!ありがとうございます!」
〜数時間後〜
「総理!先程の件なのですが、いかがでしょうか?」
「あー、あの件に関して真剣に考えてみたのだが、やはりこの緊急事態の最中に一国の長である私が踊っている場合ではないだろう。実際に踊ることも心の中が踊ることも、どちらも許される状況ではないと思うんだが・・・」
「いえ!そんなことはございません!私は総理がご自宅でくつろぐ様子を星野さんの曲に合わせて映し出すだけで、国民にさらなる自粛ムードを促すことができると考えております!」
「本当にー?」
「はい!これは非常にいい機会です!いかがでしょうか?」
「君からのせっかくの提案だ。やってみよう!」
「ありがとうございます!」
さっそく二人は撮影の準備を始めた。
「総理!ちなみに私には秘策があります」
「今度はなんだね」
「ネット上では動物の動画が人気らしいので、総理のご自宅で飼っているワンちゃんにも出演していただくのはいかがでしょうか?」
「君、それは無理だよ。私は自宅にはほとんどいないから、犬に懐かれていないんだ・・・」
「総理、大丈夫です!そうかと思って、先程、ドギーマンを購入して参りました!」
「君、それは不要不急の外出じゃないか?」
「いえ、これで総理がバズるのでしたら、必要緊急の外出に値します!」
「そうか、わかった。撮影を始めよう」
安倍総理は犬にドギーマンを大量に与え、無事にツーショットの撮影に成功した。
「総理いいですね〜!!次に、総理がティータイムをしている様子を撮影したいのですが」
「わかった。我が家で一番庶民的なティーカップを昭恵に用意させよう」
「はい!」
昭恵は安倍家で最も庶民的なティーカップを用意した。
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「これでいいかしら?」
「おう。実に庶民的なカップだな。ありがとう」
「いえいえ。ちなみに先程、籠池さんの奥様から連絡があって、」
「もう終わった話はやめなさい。撮影の邪魔だ!早く出て行け!」
「はい・・・」
安倍総理はティータイムの撮影を無事に終え、続けて読書タイムの撮影も済ませた。
「最後に総理がテレビを見ている様子も撮影したいのですが、いかがでしょうか?」
「いいだろう」
「ちなみに総理がマスクを着用することによって、感染予防の警告にもなると思うのですが、いかがでしょうか?」
「君、それはダメだよ。ネット上にいる野生の野党たちから『マスクの無駄遣いだ!早く辞任しろ!』と批判が殺到してしまうだろう」
「たしかに、総理のおっしゃる通りでございます!」
「だろう?それに2枚しかないのだから、アベノマスクの着用は絶対にダメだ」
「おっしゃる通りでございます!では、総理が普段通りテレビを見ている様子を撮影いたしましょう!」
「分かった」
全ての撮影が終了し、完成した動画を確認した安倍総理。
「本当にこれで大丈夫なのか?」
「はい、バッチリでございます!支持率アップが期待できます!」
「本当かね?ちょっと、カップの飲み物を飲みすぎじゃないか?」
「いえ、問題ございません!テレビのリモコンをいじるタイミングも素晴らしかったです!」
「いや〜、どのテレビ局をつけてもコメンテーター達が私の悪口を言っているもんだから、思わずチャンネルを変えてしまったよ」
「そうでしたか。しかし、この動画を公開すれば、すぐに国民から"親しみやすいお茶目な総理"として愛されますし、金正恩やトランプからも羨望の眼差しで見られますよ!」
「え〜、そうかな〜?」
「はい、間違いございません!」
「君、本当に素晴らしい提案をありがとう!」
「いえ、総理のためですから!これで盛大にバズりましょう!」
こうして公開されたのがあの動画。
ただの妄想なんですけど、もしかしたらこんなやりとりが裏で行われていたかもしれないと思うと、ちょっとあたたかい気持ちになれたりしませんか?
しませんか・・・
そうですよね。