「ほんの些細なことが、きみの心のほとんどを占めることがある。」
「さよならを言うのがこんなにもつらい相手を持っているだなんて、僕はなんて幸せなんだろう。」
どちらも「くまのプーさん」のアニメーションシリーズに登場する、私の大好きなセリフ。
「くまのプーさん」は大人にこそみてほしい。大人だからこそ"ハッ"とさせられる言葉がたくさんあるから。
先日観た、映画「プーと大人になった僕」もそう。
幾度となく"ハッ"とさせられた。
中でも最も印象に残ったのは、プーさんが大人になったクリストファー・ロビンに赤い風船を1つねだるシーン。
風船をねだるプーさんにクリストファー・ロビンが「風船なんて何に使うんだ? 必要ないだろう」と少々荒々しい口調で尋ねると、プーさんは「なににも使わないよ。でも持ってるだけで幸せな気持ちになる」と答えた。
たしかに子供の頃、風船ってそういう存在だった。
なにかに使うわけでもないのに、飛ばされないように長い紐をぎゅっと握りしめていた。
大人になった今、あの頃の風船のような存在が私にはなにか1つでもあるだろうか。 今の私にとっての風船とはなにか。
考えずにはいられなくて、昨夜はあまり眠れなかった。
プーさんのゆったりとした世界観と、せわしなくも優雅なロンドンの街が描かれたハートフルな作品。
「なんにもしない」ができなくなった、全ての大人に観てほしい。