憧れに近づくには、覚悟が必要だと思う。


例えば、石原さとみさんに憧れて美容院に行き、彼女の写真を美容師に見せて、同じヘアスタイルにしてもらう。すると、髪型が近付いた分、彼女と自分では「顔」が根本的に違うことが、改めて浮き彫りになることだろう。


他にも、いつもスーツ姿が素敵な人と休日デートに行ったら「私服がダサくて恋が冷めた!」なんてことも起き得るし、好きなハイテンションyoutuberを街で見かけて、声をかけたらテンション低めの塩対応だったりもする。



これは夢や恋人においても同じで、私はコラムという物の"感じたことを素直に書ける"という部分に惹かれて、文章を書き始めたのだけれど、憧れていた女性誌からの依頼を受けて執筆したら、意に反する一文を付け足されていたこともあった。


中学生の頃は、「高校生になればクラスにイケメンがいて、席替えで隣になって♡」


なーんて、私も人並みに浮ついた期待を抱いていたけれど、実際はクラスには山崎賢人も坂口健太郎もいなかった。


隣の席のヤツのあだ名ハリーポッターだったし。


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相手をもっと知りたくて。

デートの後同じ家に帰りたくて。


あれほど望んでいた恋人との同棲なのに、日に日に嫌な部分が見えてきて、そこばかりが目につくようになってしまって。


歯磨きの間ずっと水流しっぱなしにすんな!

ドライヤーのコンセントはちゃんとまとめろ!

ドアを静かに閉めろ!靴は揃えて脱げ!

風呂出たら換気扇のスイッチ押せよカス!


なんてね。


憧れの嫌な部分が見えたということは、憧れに近付いた何よりの証拠。


けれど、次第に嫌なところばかりに目を向けてしまう自分に嫌気がさしてしまう。


憧れが大きければ大きいほど、現実とのギャップに苦しむことになる。見たくないものを見る、知りたくなかったこと知る、したくないことをすることもある。


憧れや夢は大切なものだからこそ、上手な距離感で付き合ったほうがいいのかもしれない。