初めてお会いした主治医のW先生から、S状結腸癌・肝臓転移・肺転移の確定診断。そしてステージⅣの宣告を受けたあの時。
私は、すぐ隣にいるダーリンの顔を見る事ができませんでした。
怖かったんです。
どんな顔してるのだろう❓
泣いてる❓
まさか笑ってはいないよね❓
先生の言ってる事、わかってるのかな❓
すぐ隣にいるダーリンが、遠くにいるような気がしました。
ひと通り話し終えたW先生が、「大丈夫ですか? 私が病棟まで送っていきますよ」と声をかけて下さいました。
なんて優しい先生なんでしょう。
その気配りに、気持ちが少しだけほっこりしました。
せっかくのW先生のご厚意でしたが、「ありがとうございます。ちょっと主人と2人で話したいので、少しだけ時間を下さい。私が責任持って病棟まで送っていきますので」とお断りしました。
外科の外来診察室を出て、薄暗い市民病院の中を、ダーリンが乗った車椅子を押して歩き、院内にある売店前の休憩スペースの所まで行きました。
もちろんダーリンが乗った車椅子を押すなんて、初めての事。
ダーリンの背中を見ながら、「今泣いたらダメ!!なるべく明るく!!明るく!!」と自分に言い聞かせました。
流石に冗談は言えなかったけど、なるべく深刻な雰囲気を出さず、平気そうな素振りをしました。
実際には、顔がひきつり、めちゃくちゃ怖い顔してたかもしれませんけどね。
気持ちで負けないで!!
そんな悔しい事はない!
お願いだから、気持ちで負ける事だけはやめて!!
そう伝えました。
W先生が「諦める必要はありません。ただ長いお付き合いにはなると思います。一緒に頑張りましょう」と言って下さった言葉と先生の優しさを信じて、「気持ちで負けない!!」ダーリンの癌闘病が始まったのです。
さぁ!!
気持ちで負けない!!
笑顔で頑張るぞー!!
長い闘いが始まりました。