百合もまたハイブリットが大はやり
( ゆりもまた はいぶりっとが おおはやり )


京都も去る21日に梅雨入り宣言が発せられた。その以降、大雨は降らないものの、降ったり止んだりの日が続いている。先週の土曜日も天気予報は雨だったが、午前中は晴れていたので、先々週に続いて植物園に行ってきた。


 

この時期は、花の入れ替わりが早いので、1週間もすれば花壇の景観がかなり変わる。「薔薇(ばら)」「紫陽花(あじさい)」「花菖蒲(はなしょうぶ)」などはまだかなり咲いていたが萎れてきているものもあった。


 

目新しいものとしては、「沈床花壇」の「百合(ゆり)」が挙げられる。ここ数年は、中央の噴水を囲むように「ハイブリッド(hybrid)」の艶やかな「百合」が植えられている。
*沈床花壇:西洋庭園の形式の一種。地面を掘り下げて周囲よりも一段低い位置に設ける花壇で、サンクガーデン(sunk garden)とも呼ばれている。

本日の掲句は、その様子を見て詠んだ句である。「百合」は夏の季語。


 

「ハイブリッド」といえば、自動車を思い浮かべる人も多いと思うが、近年世界中で推奨されているEV(電気自動車)を尻目に今も大はやりである。

「百合」についても、最近は原種の「百合」でなく、それらを掛け合わせた「ハイブリッドリリー」が大はやりである。


 

そもそも「ハイブリッド」とは、どのような意味なのか。改めて調べてみると、以下のように説明されていた。

① 種や品種が異なる植物や動物から生まれた子孫。
② 異種のものを組み合わせたもの。

あえて和語で表現にすると「かけあわせ」、「交配」、「雑種」、「混血」、「混成」などといった言葉になる。


 

ところで、「百合」の原種は全体で100種以上あるといわれ、日本には15種類の原種が自生している。それらは、花の形、咲き方などからテッポウユリ系、ヤマユリ系、カノコユリ系、スカシユリ系の4つに分けることができる。これらの詳細については、2021年07月27日の記事をご確認頂きたい。*日付をクリック


 

「ハイブリッドリリー」は、上記の原種と外国産の原種を交配させたもので、主要4グループとそのハイブリットを更に交配させてできた派生3グループの7グループに分類されるそうだ。


 

これらのグループ分けは、かなり複雑なので、詳細については以下のサイトをご覧いただきたい。

●ユリ(百合)の種類や特徴、歴史など


 

因みに、「ハイブリッドリリー」については、過去に以下の句を詠んでいる。


【関連句】
① ゴージャスにハイブリッドのユリなれば
② 玄関はハイブリッドな百合の花


①は、「ハイブリッドリリーリリー」のゴージャスな印象を詠んだもので、②は、①の印象を念頭に、玄関に設置された鉢植えの「ハイブリッドリリー」を見て詠んだ句。


「百合」を詠んだ句は非常に多いが、記事が長くなったので参考句の掲載は割愛する。