磨かざれば決して光らずブラシの木
( みがかざれば けっしてひからず ぶらしのき )


現在、植物園には月4~5回出かけるのは、いうまでもなく、近辺であまり見かけない植物を見るためである。また、何回もいくのは、できるだけ花のベストなタイミングに出会うためである。



今日取り上げる「ブラシの木」も、近辺ではあまり見かけない花木であるが、先週の土曜日に行った時は、丁度満開を迎えていた。名前は、花がビンなどを洗うブラシに似ていることから付けられたそうだ。



本日の掲句は、そのブラシのような花を見て、「磨く」「光る」を連想して詠んだ句である。「ブラシの木の花」は夏の季語。(季語にしてないところもある。)


 

実のところ、この句を詠むにあたっては、メジャーリーグで大活躍に大谷翔平氏とボクシングの井上尚弥氏をイメージして詠んだ。

彼らはいうまでもなく天才だが、驕り高ぶることなく、弛まぬ努力と節制があってこそ、光り輝き続けることができるのである。



因みに、「ブラシの木」の花については、過去に以下の句を詠んでいる。


【関連句】
① ピカピカに何を磨かんブラシの木
② この大地祓い清めよブラシの木




①は、この花を初めて見た時に詠んだ句。こんなに沢山のブラシで何を磨くべきか。多分、今磨かなければならないのは、外面よりも内面=心かも。
②は、新型コロナが流行り出した頃に詠んだ句。ウィルスが蔓延する大地を
祓い清めて欲しいと念願しつつ詠んだ。



「ブラシの木」は、フトモモ科ブラシノキ属の常緑小高木。オーストラリア原産で、明治中期に観賞用として渡来。花期は5~6月頃だが、初夏・秋の二期咲き種や、四季咲き種もある。



花弁は緑で小さく目立たないが、赤の長い花糸(雄蕊)がブラシの毛のように密集する。花穂は長さ10cm、直径5cmくらい。白色、黄色のものもある。



別名に、「花槙(はなまき)」「金宝樹(きんぽうじゅ)」「カリステモン(学名)」がある。また、英名で「ボトルブラッシュ(Bottlebrush)」と呼ばれている。

ブラシの木を詠んだ句は、ネット上では、ほとんど見つからなかったので参考句は割愛する。

白(黄)花のブラシの木