太陽光電気自動車車輪梅
( たいようこう でんきじどうしゃ しゃりんばい )


昨日まで、関東近辺の花の名所を巡るツアーからの記事を掲載した。ツアーから帰ってきて近辺を見渡すと、木々の青葉若葉が生えそろい、様々な夏草が繁茂して緑一色に染め上がっている。


 

そんな中、5月初め頃から白い花を咲かせている花木がある。それが、今日取り上げる「車輪梅(しゃりんばい)」である。

この名前を聞いた時、「車輪」という人工物が名前についているので、何故だろうと思い調べてみたが、何のことはない、一箇所から多数出る小枝が車軸のように見えること、葉が輪生していることなどが理由だそうだ。


 

いずれにしろ、「車輪」という言葉が面白いので、後掲の【関連句】ように、それを意識した句をいくつも詠んできた。


 

本日の掲句も、同じように「車輪」から連想した句である。すなわち、「車輪」から「自動車」「電気自動車」「太陽光発電」が思い浮かび、それを並べてみた。


 

これって俳句と思われるかもしれないが、何となく面白いと思い詠んだ自己満足の句である。それにしても、最近は「ゼロカーボン」「再エネ」とやかましいが、理念・理想を追いすぎて、自己矛盾に陥っているような気がする。

ところで「車輪梅」は、近辺でもよく見かける植物だが、何故か季語になっていない。ただ、今の時期に咲くので、掲句では夏の季語に準じるものとして詠んでいる。


 

因みに、「車輪梅」に関しては、過去に10句ほど詠んでいるが、以下には比較的気に入っているものを選んで再掲した。

【関連句】
① 土埃あらう雨中の車輪梅
② 車輪梅咲くや大路の分離帯
③ とめどなく連なるバスや車輪梅



 

①は、久しぶりに降った雨が、花や葉にかかった土埃を洗い流している様子を見て詠んだ句。純白の花が輝いて見えた。
②は、大通りの中央分離帯に植えてある「車輪梅」が花を咲かせているのを見て詠んだ句。「車道」の分離帯と「車輪梅」が「車」つながりで面白いと思って詠んだ。
③は、観光客を乗せたバスが連なって大通りを走っているのを見て詠んだ句。最近はオーバーツーリズムが大きな問題になってきている。


 

「車輪梅」は、バラ科シャリンバイ属の常緑低木。原産地は日本及び朝鮮半島。大気汚染や乾燥に強く、世話があまりいらないことから、低木の街路樹として現在様々なところで見られるようになってきた。

花期は4月~5月。花色は基本的には白色だが、最近は赤味のある花をつける「紅花車輪梅」も時々見かけるようになった。


*紅花車輪梅


 

花後に成る果実は10月~12月に黒紫色に熟す。また、樹皮を木灰と混ぜて鉄がまで煮出し、大島紬の褐色染料にする。数年前、奄美大島へ行った時に、実際にその工程を見学したが、こんな用途があるのかと少々驚いた。

*車輪梅の果実 ( 昨年11月初めに撮影 )

 

既述の通り「車輪梅」は季語として定着していないせいか、それを詠んだ句はほとんど見つからなかった。よって参考句は割愛する。