遅かりしネモフィラの丘浅き夏
( おそかりし ねもふぃらのおか あさきなつ )


ツアー二日目の午前中は、茨城県の「国営ひたち海浜公園」へ出かけた。主な目的は、「みはらしの丘」の「ネモフィラ」を見ること。



しかし残念なことに、「ネモフィラ」の最盛期はとっくに過ぎ、花のほとんどが散りなごり花(萎れた花)が僅かに残っているだけだった。



本日の掲句は、そのことを詠んだ句である。「ネモフィラ」は季語になっていないので、下五に夏の季語として「浅き夏」をおいた。
*浅き夏:立夏からまだ日が浅い頃をさす。瑞々(みずみず)しい新緑のころ。「夏浅し」は同じ趣旨の季語。



【国営ひたち海浜公園】
◎茨城県ひたちなか市の太平洋岸にある海浜公園。3月下旬~5月中旬頃まで春のフラワーリレーが楽しめ、スイセン、チューリップ、ネモフィラ、バラなどが次々と開花する。
◎特に4月中旬から5月上旬にかけて約530万本のネモフィラが「みはらしの丘」を青一色に染め上げ、空と海と丘が一体化したかのような絶景が見られる。



「ネモフィラ(Nemophila)」は、ムラサキ科ネモフィラ(ルリカラクサ)
属に分類される一年草。原産地は北アメリカ。草丈10 cm~20 cm 、茎は匍匐性(ほふくせい)で横に広がる。

* ネモフィラ属は、APG植物分類体系では、ムラサキ科であるが、新エングラー体系、クロンキスト体系では、ハゼリソウ科に分類される。



花期は4月中旬~5月中旬。見頃のピークは1週間から10日と短い。花径は2cmくらいで、白地に青紫色の深い覆輪があり、中心部に黒い点が5つある。白色の花もある。



名前は、ギリシャ語の「ネモス(小森)」と「フィレオ(愛する)」が合わさった言葉で、森林の周辺に分布していることからきている。



和名は、草姿を瑠璃色の唐草模様になぞらえて「瑠璃唐草(るりからくさ)」という。また英名では、愛らしい花姿から「baby blue eyes 」=「赤ちゃんの青い瞳」と呼ばれている。

 

★上掲の写真は、あまり見映えが良くないので、以下には、京都の植物園で撮った最盛期の「ネモフィラ」を掲載した。

 

 

明日に続く。