島々を結ぶ大橋うららけし
( しまじまを むすぶおおはし うららけし )


瀬戸内海ツアー二日目は、「耕三寺」を参拝した後、「大島(おおしま)」に移動し、「亀老山(きろうさん)展望公園」へ行った。この公園は、「大島」の南端に位置し、瀬戸内海国立公園に指定されている。



 

隈研吾氏による設計として知られるパノラマ展望台ブリッジからは、世界初三連吊橋「来島(くるしま)海峡大橋」と日本三大急潮のひとつ「来島海峡」の潮流、晴れた日には西日本最高峰「石鎚山(いしづちさん)」を眺める事ができるという。


 

本日の掲句は、その内の「「来島海峡大橋」の威容を見て詠んだ句である。いくつもの島をしっかり結ぶように設置されており、凛然と立つ白い橋脚と張り詰めたケーブルが実に美しい。


 

本句では、その状況を春の季語「うららけし」を使って詠んだ。実際には、少し曇っていたので、使うかどうか少し迷ったが、晴れわたった状況も想像しながら詠んだ、


 

ところで、「うららけし」が春の季語だと聞いて、俳句をやっていない人には意外だと思う人がいると思う。漢字では「麗けし」と書くが、春の陽光が輝き、万象ことごとくやわらかに美しく見えるさまを意味する形容詞である。


 

関連して「麗らか(うららか)」「うらら」「うらうら」も同様の意味で春の季語になる。どうしてなのかうまく説明できないが、実のところ、このような言葉は他にもある。*かつて山本リンダが歌った「狙いうち」に「ウララ ウララ ウラウラで」というフレーズがあったことを思い出したが、本件とは全く関係がない。



 

例えば、「爽やか(さわやか)」「さやか」は秋の季語。これも何でだと思う人がいると思うが、こうなると、そういうものだと観念して感覚的に覚えるしかない。ただ、使い慣れてくると、いつしか、なるほどと思うようになる。

*以下に掲載する写真は「来島海峡大橋」以外のもの

 

【来島海峡大橋の補足説明】
来島海峡大橋は、大島と今治の間約4kmの来島海峡に架かる総延長4.1kmの3つの吊橋の総称。来島海峡は昔から鳴門海峡、関門海峡と並んで海の難所として有名だが、瀬戸内海の中央海域へ行き来する船舶には、ここは避けられない航路。


 

このため、来島海峡大橋の橋梁計画にあたっては、中渡島をはじめとする島々などの自然環境の保全、船舶航行の安全性、車両の走行性などを考慮し、世界初の三連吊橋が採用された。



つづく