菜の花や遊具ではしゃぐ児らの声
( なのはなや ゆうぐではしゃぐ こらのこえ )


昨日は立春。一般に、この日より「暦の上では春」といわれる。何故「暦の上では」というかというと、江戸時代の「日めくり暦」に由来するらしい。この暦には、立春、立夏、立秋、立冬など「二十四節気(にじゅうしせっき)」が記載されていて、その暦によると○○などと表現され現在も踏襲されているとのこと。



詳しいことについては割愛するが、俳句では、この日より春モードに入り、春らしさを求めながら句作をすることになる。そこで、昨日は久しぶりに「梅小路公園」に行ってきた。



この公園は、京都駅の近くにあり、京都水族館や蒸気機関車館があり、芝生広場、森と庭園、遊園地、花壇などが整備されている。咲いている花はまだ少なかったが、「菜の花」の黄色い花が印象的だった。



本日の掲句は、その「菜の花」と滑り台などの大型遊具で遊んでいる児童らとの取り合わせて詠んだ。空は晴れており、いかにも春らしさを感じさせる光景だった。



ところで、「菜の花」という名称は、特定の植物を指すのでなく、アブラナ科アブラナ属に分類されている植物の総称であり、代表的な春の季語になっている。



「花菜(はなな)」は、その中でも花が開いたものを指す。但し、「花菜」を「かさい」と読むと、カリフラワー、ブロッコリーなど花を食用とする野菜をさす。「菜花(なばな)」ともいう。

 



因みに、「菜の花」「花菜」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

【関連句】
① 菜の花の黄やほっこりと丘の上
② 街角に陽気いざなう花菜かな
③ 菜の花に入日差し込む山の畑




①は、ある公園の丘の一角に菜の花の黄花が見え、春がきているんだなとほっこりしたことを詠んだ。
②は、住宅街の四つ角などに植えてあるのを見て詠んだ句。この花の黄色は、まさしく春の陽気を誘(いざな)っている感じがする。
③は、数年前の3月に房総半島のバスツアーに行った時に詠んだ句。日もかなり西に傾いていて、その光が菜の花畑の一面を照らしていた。



「菜の花」「花菜」を詠んだ句は非常に多く、これまで、本ブログでも30句以上紹介してきたが、以下には、それ以外のものを更に選んで掲載した。

【菜の花、花菜の参考句】
ふらふらと行けば菜の花はや見ゆる /正岡子規 
この島におなじ日りん花菜時 /飯田蛇笏
さざめきて菜の花の揺れ交しをり /清崎敏郎
めとりし日けふ筑紫野の菜の花に /森澄雄
よしの出てまた菜の花の旅寐かな /松岡青蘿