この大地祓い清めよブラシの木
( このだいち はらいきよめよ ぶらしのき )


本日、緊急事態宣言が、前回残された1都3県、北海道でも解除されるとのこと。宣言が発令された4月7日から1カ月と2週間余り。非常に長く感じたが、何とか第一次の危機を脱することができた。

 


 

これは、国民の並々ならぬ自粛、辛抱、努力の賜物だが、悲惨な欧米諸国に比し、感染者や死者を非常に少なく抑えることができたのは、医療従事者や感染症対策専門家、政府・自治体関係者の昼夜を問わぬ献身のお陰であり、心より感謝したい。

 


 

さて、先週の土曜日は、実に2か月ぶりに京都府立植物園に行ってきた。京都は21日に宣言が解除されたが、植物園の方は18日より再開園されていた。開放感からか、来園者は結構多かったが、園内は広いので人が密集する状態ではなかった。

 


 

植物の方はというと、「薔薇(ばら)」がまさに花盛りだったが、残念ながら「バラ園」の方は、人出が多くなるのを避けて封鎖。外からしか見ることができなかった。

 

ただ、夏の花がいろいろと咲きだしていて、入り口付近では、特に「ブラシの木」の花が目立っていた。その名の通り、花はまるで瓶などを磨くブラシのような形をしており、それが、木全体に群れ咲くと真に華やかである。

 


 

本日の掲句は、その様子を見て詠んだ句である。最近はコロナ禍に関連した句を多く詠んでいるがいるが、ブラシ繋がりで中七には「祓い清めよ」を入れた。「ブラシの木の花」は夏の季語。(季語にしてないところもある。)

 


 

因みに、「ブラシの木」の花については、過去に以下の句を詠んでいる。


ピカピカに何を磨かんブラシの木


これは、この花を初めて見た時に詠んだ句。こんなに沢山のブラシで何を磨くべきか。多分今磨かなければならないのは、外面よりも内面=心かも。

 


 

「ブラシの木」は、フトモモ科ブラシノキ属の常緑小高木。オーストラリア原産で、明治中期に観賞用として渡来。花期は5~6月頃だが、初夏・秋の二期咲き種や、四季咲き種もある。


花弁は緑で小さく目立たないが、赤の長い花糸(雄蕊)がブラシの毛のように密集する。花穂は長さ10cm、直径5cmくらい。白色、黄色のものもある。

 


 

また、この木の実は、枝にずらっと並ぶ。翌年の花は、花の先から出てきた枝の上部に咲き、実をつけた後、更にその先から枝を伸ばし花をつける。このことを何度か繰り返すので、枝には何年かの実が固まってついているとのこと。


別名に、「花槙(はなまき)」「金宝樹(きんぽうじゅ)」「カリステモン(学名)」がある。また、英名で「ボトルブラッシュ(Bottlebrush)」と呼ばれている


 

ブラシの木を詠んだ句は、まだほとんどないようなので、参考句は割愛する。

 

*白花のブラシの木