「へ」は降れど屁の河童とや桜島
( へはふれど へのかっぱとや さくらじま )


旅行の三日目は、宮崎県最南端の都井岬(といみさき)を訪れ、海に浮かぶ小島に建つ神社、荒平天神(あらひらじんじゃ)を参拝し、桜島・湯之平展望所へ向かった。

 


 

鹿児島と言えば、やはり桜島を抜きには語れないが、近くでみるとその威容に圧倒される。この日は白に時々グレーが混じり、絶えることなく噴煙を噴き上げていた。


 

【桜島】
 

●桜島(さくらじま)は、日本の九州南部、鹿児島県の鹿児島湾(錦江湾)にある東西約12km、南北約10km、周囲約55km、面積約77平方kmの火山。
●かつては島であったが、1914(大正3年)の噴火により、鹿児島市の対岸の大隅半島と陸続きとなった。

 


 

●桜島火山は姶良(あいら)カルデラの南縁付近に位置しており、このカルデラの2万9千年前の巨大噴火の3千年ほど後に誕生した。日本の火山の中では比較的新しい火山である。
●桜島火山は有史以来頻繁に繰り返してきた噴火の記録も多く、現在もなお活発な活動を続けている。海の中にそびえるその山容は特に異彩を放っており、鹿児島のシンボルの一つとされ、観光地としても知られている。 (以上Wikipediaより)

 



その様子を初めて間近で見ると、いつ大爆発を起こすのか不安になるが、地元のガイドさんの話によると、噴煙が上がるのは日常茶飯のことであり特に気にしないそうだ。


ただ、時々火山灰が降ってきて、自動車などに降り積もり、それを落とすのが難儀だとのこと。

 


 

本日の掲句は、そんな説明を聞きながら詠んだもの。上五で使った「へ」とは鹿児島弁で「火山灰」のこと。灰の「ハイ」が訛って「へ」というそうだ。


中七の「屁の河童」は、一般に使われる慣用句で、「なんでもないこと」の意。「きわめて簡単」という意味もある。尚、本句は季語を入れることができず無季。

 


 

この日は、桜島の湯之平展望所へ行った後、桜島港からフェリーで鹿児島港に行き、鹿児島中央駅より新幹線に乗って帰途についた。

 

今回訪問した先で、記事に取り上げなかったところもいくつかあるが、記事の内容が似通ってくるので割愛したい。

 


 

余談だが、桜島をテレビなどで見ていた時は、鹿児島湾(錦江湾)の外にあるものと思っていたが、湾のこんなにも奥まったところにあったのかと少々驚いた。

 


 

「桜島」は季語ではないが、非常に有名な観光地なので、それを詠んだ句はままある。参考のため、いくつか選んで以下に掲載した。


【桜島の参考句】
懸巣鳴き遠雲脱げり桜島 (水原秋櫻子) 
*懸巣(かけす):カラス科の鳥。
春暁の雲とびとびや桜島 (阿波野青畝)
桜島煙を上げて春隣 (高野素十)
冬凪や置きたるごとく桜島 (轡田進)
桜島静かに噴けり大旦 (島田絢子) 
*大旦(おおあした):元日の異称

 

*火山灰