■ 蓮池盛衰記
昨日は「枯れ蓮」を取り上げたが、「蓮」に関しては年間通していくつも季語がある。整理すると以下のようになる。
【春】 蓮植う
【夏】 蓮、はす、はちす、蓮の花、蓮華、紅蓮、白蓮、蓮(の)葉、蓮(の)浮葉
【秋】 蓮の実、破(れ)蓮、敗苛、やれはす、やれはちす、秋の蓮、蓮の飯
【冬】 枯(れ)蓮、かれはす、かれはちす、蓮枯る、蓮の骨、蓮根掘る
こう見てみると、「蓮」は年間通して親しまれてきた植物であり、事実、古来から日本人に馴染みが深く、万葉集にもかなり歌われている。
そんなこともあり、自分も「蓮」の句をこれまで何句も詠んできたが、今回、それぞれの場面に応じて詠んできた句と写真を整理して掲載することにした。ご笑覧いただければと思う。
【蓮青葉】
蓮青葉ボーーボーーと牛蛙 (6月初旬)
【蓮の莟】
蓮の葉に隠れてござる莟かな (7月初旬)
【蓮の花】
蓮池の蓮咲き初めし五六輪 (7月初旬)
濁りなき蓮にピンクのグラデーション (7月中旬)
三日目はいとしどけなく蓮の花 (7月中旬)
【蓮の実】
花落ちて蓮口ならぶ蓮の池 (7月下旬)
蓮池は蜂巣ばかりの初秋かな (8月中旬)
【破れ蓮】*やれはす、やれはちす
青鷺の佇むあたり破れ蓮 (10月初旬)
【枯れ蓮】*かれはす、かれはちす
蓮の葉も破れ尽きたり枯れ蓮 (12月下旬)
おまけ:蓮根