目覚むれば枯木に雪の花盛り 
 ( めざむれば かれきにゆきの はなざかり )
 
先週一杯は、台湾旅行に関する記事を掲載したが、今日からは通常のブログに戻りたい。

さて、昨日は京都でも雪が降った。近辺に限れば、今年に入って初めての雪なので初雪と言ってもよいだろう。降った雪はごく僅かで、北国の豪雪と比べれば、ひやかし程度。それでも、周りの木々は真っ白になり、桜の花が一足早く咲いたような風情だった。
 
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本日の掲句は、そんな様子を詠んだ句である。「枯木に花を咲かせましょう」は、「花咲か爺さん」のセリフだが、灰の代わりに雪が花を咲かせてくれた。

尚、本句では「枯木」と「雪」が冬の季語で季重なり。本句の句意からして、やむを得ないだろう。
 
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因みに、「雪」に関する句は、これまで50句近く詠んでいるが、以下には比較的にましなものを再掲したい。

【関連句】
① 初雪のイリュージョンかなみんな白
② 初雪に追いかけてくる靴の跡
③ どか雪を踏めばぎゅぎゅっと音のする

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①は、初雪が降った朝、あたり一帯が何もかも白一色になっているのを見て詠んだ句。イルージョンの元の意味は幻影、幻想ということだが、ここでは大掛かりな奇術の意で使った。

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②は、雪が降った後、まだ誰も歩いていない雪の上を歩いた体験を詠んだもの。当然のことながら後ろに足跡ができるが、まるでそれが、自分を追いかけてくるような錯覚に陥ることがある。

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③は、雪が降り積もった小道を歩いた時に詠んだ句。「どか雪」とは、短時間に多量に降り積もった雪のことだが、それを踏むとぎゅぎゅっと音がした。少ない雪の場合は、そんな音はしないが、この時はいつもと少し違った。

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「雪」を詠んだ句は非常に多いが、以下では特に「初雪」を詠んだものを選んで掲載する。(過去に掲載したものは除く。)

【初雪の参考句】
初雪や懸けかかりたる橋の上    (松尾芭蕉)
初雪や誰ぞ来よかしの素湯土瓶  (小林一茶)
ちらちらと初雪ふりぬ波の上     (正岡子規)
初雪にころびぬまさに家の前    (岸田稚魚)
初雪や石の寡黙は永久のまま   (上村占魚)
 
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