カルミアや小さき日傘数多なり
( かるみあや ちいさきひがさ あまたなり )
 
植物の花には、非常に面白い形や色合いのものがある。本日紹介するカルミアもその一つで、最初見た時は、その色、形、柄が何かに似ていると思った。
 
何だろうと考えて思い当たったのが日傘、パラソルである。本日掲載した写真を見れば納得いただけると思うが、丁度逆さに開いたような感じである。
 
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本日の掲句は、そんなカルミアの花を見て詠んだもの。句としてどうかとは思うが、実際の印象をそのまま詠んだものであり、とりあえずは残すことにした。尚、カルミアは季語になっていないようなので、本句では「日傘」が季語(夏)となる。
 
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カルミアは、ツツジ科カルミア(ハナガサシャクナゲ)属の常緑低木で原産地は北アメリカ東部。本へは大正4年に輸入されたといわれているが異説もある。
 
花期は5月~6月頃。個々の花は2cm程度だが、沢山集まって毬のように咲く。花色には白色、ピンク、赤などがあり、柄も多様。蕾は、金平糖のような形をしている。
 
別名に花笠石楠花(はながさしゃくなげ)、アメリカシャクナゲがある。
 
余談だが似た名前にカシミアがあるが、これは、カシミアヤギ(山羊)から取れた毛のことで、マフラー、コートなどの高級品素材に使われる。一字違いだが、マフラーのカシミア、日傘のカルミアと覚えると良いだろう。
 
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尚、カルミアを詠んだ句はほとんどないので、以下では、少し掲句と趣が違うが、日傘を詠んだ句を参考まで掲載する。
 
【日傘の参考句】
山うどの山出て市は日傘かな  (小林一茶)
清水の坂のぼり行く日傘かな (正岡子規)
雨ありしあとの日傘や菖蒲園 (鈴木花蓑) 
鈴の音のかすかにひびく日傘かな (飯田蛇笏)
母の忌や一つ日傘を姉とさし (渡辺恭子)
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