春蘭の花慎ましく淑やかに
( しゅんらんの はなつつましく しとやかに )
 
先週土曜日3週間ぶりに、京都の植物園に行ってきた。たまたま、同園の会館で「春蘭展」をやっていたので会場に入った。蘭については、2月21日のブログで観覧温室常設の「ラン室」のものを紹介したが、日本に自生すると言われる春蘭を見るのは初めてだった。

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会場には、鉢植えの春蘭が数十鉢展示されていた。それを一つ一つ見て回ったが、先日見た外国産の蘭とは趣が全く違う。野に自生する蘭と言われるだけあって、非常に野趣に富み、素朴な感じがした。しかも鉢で丹精込めて育てられたせいかとても上品な感じがした。

本日の掲句は、そんな春蘭を見て詠んだ句である。中七の「慎ましく」は、洋ランのような派手さはなく、控えめであることから出てきた言葉である。下五の「淑やかに」という言葉はなかなか出てこなかったが、最終的に上品は感じを強調するためこの言葉にした。春蘭は春の季語。

ところで、花の美しさなどをどう表現するかについては、いつも悩むところである。そこで、今回はどんな言葉があるか、その意味、類語などを少しまとめてみた。但し、意味は、できるだけ特徴のあるものだけを抜き出した。また、現在ではあまり使われていない語句や難しいものは割愛した。( )内は類語
 

《花の美しさなどを表現する言葉》

○美しい:色・形・音などの調和がとれていて快く感じられるさま。(美々しい)
○綺麗: 姿・顔かたちが整っていて美しいさま。(佳麗)
○可愛い:小さいもの、弱いものなどで心引かれるもの。(愛らしい、可憐)
○麗(ウルワ)しい:精神的に豊かで気高く、人に感銘を与えるさま。(麗らか)
○清らか:けがれなく澄みきって美しいさま。(清楚)
○艶(アデ)やか:はなやかで美しいさま。なまめかしいさま。
○艶(ツヤ゙)やか:光沢があって美しいさま。
○華やか:明るく人目を引きつけるさま。(華々しい、華麗)
○鮮やか:ものの色彩・形などがはっきりして目立つさま。(鮮明な)
○淑(シト)やか:性質や動作がもの静かで上品なさま。
○床しい:気品・情趣などがあり、どことなく心がひかれるさま。(奥床しい)
○慎ましい:控えめで遠慮深いさま。
○派手:いろどり・服装・行動などが華やかで人目をひくさま。(派手やか)など
 
尚、春蘭の参考句については、2月21日の記事に掲載しているので割愛する。その代わり写真については、いつもより多めに掲載した。さて、これを見て、あなたはどのように表現されるだろうか。
 
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